「環状交差点」の走行ルール、知っていますか 意外と知らない関東の「変わり種道路」3選
従来の「ロータリー交差点」では、“左方優先”の原則が適用され、交差点に進入する車に優先権があるため、一時停止や信号機による規制を行っている。環状交差点では、交差点内を走行する車に優先権を持たせたのが、大きな違いということになる。
いったん、交差点内に進入したなら、後は、環状道路を時計回りに徐行しながら進行し、出ようとする出口手前から左側のウィンカーで合図しながら出て行けばいい。
この環状交差点は導入から3年弱が経つが、めったにお目にかかることがない。東京都と神奈川県で見るならば、2017年6月現在、都内は多摩市桜ヶ丘1丁目の1カ所、神奈川県内は、横浜市金沢区と港北区、横須賀市の3カ所にしかない。
信号機がなくても混乱しないワケ
実際、どんなものか見てみたいと思い、横浜市港北区新横浜の「横浜アリーナ」の裏手にある環状交差点へ出掛けてみた。
この交差点は3方向からの進入が可能になっており、中央島には高圧線の鉄塔が立っている。現地を訪れる前は、標識が出ていても、どのように進入すればよいか迷うのではないかと思っていたが、道路の表面に進むべき方向が書かれているので、迷うことはなかった。
環状交差点のメリットは、信号待ちをしなくてもよいのでスムーズな通行が可能になること、信号機設備の設置・維持費がかからないこと、災害時に信号機が使用できなくなったときに混乱をきたさないことなどが挙げられるという。
新横浜の交差点に関しては、環状交差点が導入される前は、進入部分の一時停止の規制のみで、もともと、信号機はなかった。一方、横須賀市のように、以前は信号機による規制を行っていたが、環状交差点の導入に伴い撤去したという場所もある。
そのほか、徐行しながら一定の方向へ進むため、ルールさえ守られれば、交差点内での重大事故の発生を抑止する効果も期待される。
ちなみに、横須賀の環状交差点を管轄する浦賀警察署の担当者の話では、免許更新時などに環状交差点に関して周知は行っているものの、まだまだ慣れない人もいるせいか、事故が発生したこともあるという。
欧米、特に英国ではラウンドアバウトがかなり普及しているようだが、わが国で環状交差点が、今後、どれくらい導入されるかに関しては、まだまだ未知数。しかし、交通ルールとして存在する以上、正しい走行の仕方は知っておかなければならないだろう。
さて、今回は首都圏に存在する変わりダネ道路を3カ所、取材してみた。このような一風変わった道路はまだまだたくさんあるだろう。旅行に出かけた際に、ちょっと注意して探してみてはいかがだろうか。
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