200万人都市「札幌圏」JR電車通勤の実態とは 赤字体質のJR北海道で、唯一の稼ぎ頭
JR北海道の道央地区の電化区間は、長く函館本線の小樽-旭川間と千歳線・室蘭本線白石―室蘭間の、札幌を核とする3方向であったが、2012年、それに学園都市線の愛称を持つ札沼線桑園-北海道医療大学間が加わった。青函トンネルを介して青森から函館、そして北海道新幹線開業に際してリレー列車用に新函館北斗までも電化されたが、そちらとは繋がっていない。
“道央”を離れると人口が少なく酷寒地の降積雪という特殊条件があって、都市間幹線でも電化に至らなかった。ゆえに、道央に独立した電化区間は需要を象徴するもので、とくに都市鉄道としての輸送は、北海道では札幌でしか見られないものとして存在する。
朝の函館線、電車・気動車併結列車
早朝6時、ICカード乗車券で札幌駅に入る。前記普通列車の運転範囲、函館本線小樽-岩見沢間、千歳線苫小牧・新千歳空港まで、札沼線北海道医療大学までが、札幌圏のICカード導入範囲である。
6時08分発の始発列車、1928D然別行きで小樽へ。この気動車列車は、小樽から先の非電化区間へ苗穂運転所から車両を送り込むための列車で、キハ40とキハ150の2両編成。早朝なので2両で事足りる。千歳線にも同様、苫小牧~室蘭間で運用するキハ143形を送り込む列車がある。
その1928Dはボックスシートがほぼ満席で、他人との同席を避ける地方の通学列車とは様子が違う。隣駅の桑園までは函館本線の複線に札沼線の単線を並べた区間で、その線路を方向幕に赤色が目立つ快速がすれ違って行った。同線から新千歳空港に直通する唯一の「エアポート」だった。
50分後、小樽で下車して待ち受けたのは、倶知安からの963D。これが201系である。
函館本線非電化区間から直通で札幌方面へ通勤輸送を行うに際し、ラッシュ時に一般形気動車を走らせるとダイヤを傷める。そこでJR北海道は、電車と同等の加減速性能を持たせ、731系電車と併結、協調運転も可能な画期的な気動車を開発した。
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