200万人都市「札幌圏」JR電車通勤の実態とは 赤字体質のJR北海道で、唯一の稼ぎ頭

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営業開始は731系のすぐ後を追う1997年である。両者の姿はほぼ同一であり、黄緑の帯に添えられた細帯の色が、731系の赤に対して201系は紫という点が見分けのポイント。両数は3両編成4本と少ないため、日頃は珍しい帯色にハッと気が付き屋根に目を転じると、パンタグラフがない…といった感覚で出合う。

963Dは、7時22分に到着。非電化区間でも余市からは立派な通勤列車としての混雑ぶりである。貫通ドアを開いた3両編成の前に731系電車3両を増結。幌を渡し、係員が線路に下りて太いジャンパ連結器を1本装着し、システムをつなぐ。小樽からは6両編成の963Mになる。この間、11分の時間があるので、急ぐ人々は隣の733系6両編成、7時26分発、新千歳空港行きに乗り換える。

963Mはその後を追って、7時33分に発車した。後ろ3両に乗車すると気動車なので、高加速の威勢よいエンジン音が伝わってくる。それに対して前3両の電車に移ると、中間の“モハ”も含めてきわめて静かに滑ってゆく。車内の造作に違いを探すのは困難だが、音の違いは際立っている。

新駅目白押しの銭函-琴似間

銭函を過ぎ、湾と山並みが離れて石狩平野となる。とは言え札幌近郊なので田園風景ではない。ほしみから札幌市域で、当駅を始発終着とする区間列車もある。ただ、日中に再訪してみたら簡素な相対式ホームの無人駅で、至近に銀行の研修センターがあるものの、駅周辺に人の姿を見なかった。跨線橋から見渡すと、駐輪場に自転車、緑あふれる敷地の向こうに住宅地が広がっていた。また、この駅自体には渡り線等はない。終着となった列車は銭函へ回送され、ホームのない中線で折り返してくる。

これより札幌の二つ手前、琴似までの間はJR発足直前に新設された駅が目白押しに並ぶ。長距離輸送を主眼としていた国鉄幹線を、地域密着会社の生活路線に変身させるための施策として各地で展開されたが、この地ほどの例は珍しい。銭函~手稲間に星置、稲穂の2駅、JR発足後に設置のほしみを加えて3駅、そして手稲~琴似間に稲積公園、発寒、発寒中央の3駅が連続する。

785系と共通運用で「すずらん」に使われる789系1000代(撮影:久保田敦)

星置、発寒、発寒中央と立派な橋上駅舎を持つ駅もあれば、稲穂のようにプレハブ小屋を上下線別の駅舎とする簡素な駅もある。稲積公園駅は高架で、各駅の構造の落差が大きい。全体的に既存の鉄道用地内に収めようとした窮屈そうなホームが特徴で、そこに各駅とも朝の通勤客が並んでいるから、ひしめき合っているような様相だ。

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