コンプレックス男が劇的に人生を変えた理由 医療福祉のエンタメに求める答えがあった

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本業ウブドベ。それを実現できた裏には、岡氏の人を巻き込む突出した能力がある。

「HALU」

21歳でウブドベ共和国を立ち上げ、就職氷河期の就活をスムーズに乗り切り、入社した会社で間もなく頭角を現し、専門学校の仲間を募って対外イベントを成功させた。「イモ」という自己評価とずいぶん遠い足跡を残してきているように思える。

「いや、自分は経営とか管理とかすごく向いていないんですよ。リラクセーション会社のときも、初出勤から2日間だけ上司に連れられて3店舗回ったら『じゃ、明日からよろしく』とか言われただけですから。引き継ぎゼロですよ。何がよろしくなのかさっぱりわからない。仕方ないから、3店舗のスタッフを集めて『ちょっと僕、何にもわかんない。シフトの組み方もわかんないし、どうしたらいいかわかんない。だから飲もう!』って(笑)」

わからないものはわからないと腹を割り、わかる人に頼む。飲んで、話して、頼んで、飲む。そうやって組織を動かしてきた。ウブドベでもそれは変わらない。

「飲んで、『足りていない部分は頼むわ』という感じです。事業の構想を話して、『こういう世界をつくろう!』『おー!』みたいなノリですね」

担当者が自分事として取り組めるかどうか

「THE Six SENSE」

ことウブドベに関しては、事業のアイデアは途切れない。

「イベント企画にしろ組織づくりにしろ、やりたいことが次から次へと出てきてため込んでいるんですよ。●●がつくりたい。そのための場所がいる。こういう技術がいる……。そういうパーツが何となくつながる瞬間があって、そのときにばーっと人を集めて始めちゃう感じですね」

そうして巻き込むときは、それぞれの担当者が自分事として取り組めるかどうかを重視している。

「やらされている感じが見えたら速攻で担当を入れ替えたりしますね。自分が興味のない分野をやっても仕方ないですし、ノリノリでやれるものをやってもらう感じで。基本はやっぱり音楽のセッションに近い感覚です」

削ったり配置転換したりすることを前提に複数のプロジェクトを託して、しばらくしてからその人の特性に見合ったものだけに絞り込むということもしているし、スタッフの希望で担当を加えることもある。

「バンドもそうですけど、僕がドラムだとして、予想どおりのギターばかり弾くやつだったらつまらない。逆に、突拍子もない、自分が考えつかないようなメロディやリズムが出されたら超テンション上がるじゃないですか。皆に対する僕の見方はそんなノリですね」

とはいえ、それも先立つものがないと始まらないし続かない。

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