「人喰い」に魅せられた男の七転び八起き人生

神保町の「異色」古書店はこうして生まれた

特殊古書店「マニタ書房」のとみさわ昭仁さん(写真:筆者撮影)

異彩を放つ特殊古書店「マニタ書房」とは?

この連載の一覧はこちら

東京・神保町は古書店の街であり、数十軒ものお店が軒を連ねている。各店、特徴的な品ぞろえに余念がないが、そんな中にあって、なお異彩を放つお店がある。特殊古書店「マニタ書房」。まず店名である「マニタ」からして意味がわからない。聞いたことがあるような、ないような、懐かしいような、不穏なような、不思議な響きである。

店舗も不思議な場所にある。神保町の交差点から徒歩1分のすばらしい位置なのだが、エレベーターのない4階だ。

曲がりくねった階段を上り、時計屋やマッサージ屋さんを超えて、少し息が切れた頃やっとお店にたどり着く。店内はいたってシンプルで壁際に本棚が設置され、ジャンル別に本が並べられている。しかし、ジャンル分けが普通じゃない。

「毛」「やくざ」「人喰い」「ホームレス」「秘境と裸族」「日本兵」……などなど。普通の本屋ではまず見たことがない、タグが付いている。いわゆる珍本ばかりがそろったお店。なるほど「特殊古書店」である。

「毛」「やくざ」「人喰い」など、普通の本屋ではまず見たことがない、タグが並んでいる(写真:筆者撮影)

ただ、珍本を集めただけではなく、独自の整理がされたうえで、アウトプットされているので楽しい。レイアウトにも愛情を感じる。なんとなく、主の人となりが伝わってくる。

どれ反対側の本棚も見てみるか、と眺めていると、

「ああ、そこは僕の本棚です。売り物ではないですよ」

と声をかけられた。

次ページ声をかけてきたのは…
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • コロナショックの大波紋
  • おとなたちには、わからない
  • コロナショック、企業の針路
  • 就職四季報プラスワン
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
老舗「レナウン」が経営破綻<br>アパレル淘汰・再編の序章

名門アパレルのレナウンが民事再生の手続きに入りました。親会社「山東如意」が再建に見切りをつけ、新たなスポンサー探しは難航が予想されます。ほかのアパレルも店舗閉鎖や売り場撤退が予定され、百貨店に多大な影響が出そうです。