「北斗の拳」のザコが舞台で主役を張れるワケ 「世紀末ザコ伝説」が映す人気作品の世界観

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初の舞台化で主役を張るのはケンシロウではなくザコ(©武論尊・原哲夫/NSP 1983, ©北斗の拳-世紀末ザコ伝説-製作委員会2017 版権許諾証GP-907)

週刊少年ジャンプ(集英社)の名作漫画『北斗の拳』が舞台化される。『北斗の拳』35周年に向けた記念企画の1つで、2017年9月6日(水)~10日(日)の5日間、シアターGロッソ(東京都文京区の東京ドームシティ内)で上演される。先だって7月4日には同じくシアターGロッソで制作発表が開催される。

北斗の拳は海外で実写映画化はしたものの、ミュージカルなどの舞台化は、今回が初となる。発表された舞台のタイトルは「北斗の拳-世紀末ザコ伝説-」、キャッチコピーは「ザコの、ザコによる、ザコのための、ザコだけの舞台」。その名のとおり、主役を張るのは主人公ケンシロウでも、最大の敵ラオウでもなく、名前のない「ザコキャラクター」だ。

形を変えて語り継がれる『北斗の拳』の世界

『北斗の拳』は1983~1988年まで週刊少年ジャンプに連載された、原作・武論尊、漫画・原哲夫による漫画作品である。累計発行部数は6000万部を超えており、週刊少年ジャンプ作品の歴代発行部数の中でも上位に位置する。

核戦争によって文明が滅び、力がすべてとなった弱肉強食の世界を舞台に、暗殺拳「北斗神拳」を駆使して戦う主人公ケンシロウとライバルたちの生き様が描かれている。荒廃しながらも妙な明るさがある世界観と魅力的なキャラクターから非常に高い人気があり、テレビアニメ化やゲーム化、ハリウッド実写映画化、OVA(オリジナルビデオアニメ)化のほか、2003年にスロット化が行われた。

また本編の前史『蒼天の拳』(2001~2010年まで連載)、ギャグスピンオフ『北斗の拳 イチゴ味』(2013~現在も連載中)など、原作完結後も何らかの形で新作が出続けている。

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