ハウステンボスの東京進出に秘められた野望 東京の次は「アジア進出」も構想、現実味は?
ハウステンボスは1992年、2000億円以上もの費用をかけて佐世保市に開業した。ただ、立地の悪さにより集客面で苦戦が続き、2003年に会社更生法を申請。その後、2010年にHISが子会社化し経営再建に着手した。
澤田氏はハウステンボスの社長に就任し、固定費の削減やイベントの実施といった集客策を次々に実施。現在はHISグループ全体の利益の半分近くを稼ぐまでに成長した。
最近ではハウステンボスの広大な敷地を生かし、ロボットを活用したアトラクションや「変なホテル」といったさまざまな新規事業を展開している。
ハウステンボスで実験し、ホテルなどはHISのグループ会社でも展開するなどシナジーも生まれ始めている。
今回、澤田社長は東京進出に加えて、「もっと世界に展開できないか検討を始めている」と世界進出構想をブチ上げた。「ディズニーもユニバーサルも全世界に展開している。(東京進出は)一部の切り出しでもその練習になる」(同社長)と東京進出の真の狙いを明かす。
アジアに第2のハウステンボス構想
海外の進出先として見据えるのは中国などアジア域内で、1時間圏内に人口1000万~3000万人が居住する場所だ。
こうした地域に期間限定ではなく、ハウステンボスのコンセプトである花と木、欧州の街並みなど常設のテーマパークを持ち込む計画だ。投資額は1000~2000億円を想定し、早くても2~3年は先になるという。
東京進出に海外展開と、新たな展開を進めるハウステンボスだが、最近は課題も浮かび上がっている。HISによれば入場者数約300万人のうち、九州域内からの顧客が7割弱を占める。
HISの力を借り、ハウステンボスを訪れる旅行商品なども販売してきたが、九州域内に頼った集客から脱却できていない状況だ。
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