もちろん、必ずしも黒でなくても構わない。伊勢丹新宿本店の婦人靴担当者は、「黒に加えて、ネービー、ベージュなどはよく出ます。特に春夏は、足元が軽く見えるピンクベージュなどが人気です。また最近、ベージュやグレーといった軽い色のスエード素材を春夏にも選ぶ人も増えてきました」と、最近の売れ筋の商品を教えてくれた。
パンプス選びでも最も重要なのは、自分の足に合ったものを選ぶことだ。足に合わないタイプを選べば、外反母趾等のトラブルを引き起こしかねない。
スニーカーブームでパンプス不慣れ女子が発生!
ただ、「ここ数年スニーカーが流行していたためか、そもそもパンプスの『ちょうどいい』という感覚がわからない人が少なくありません」(久松氏)。
「自分のサイズは24cm」と思い込んでいても、実際に足に合うのは23cmだったということはよくある。スニーカーは少し大きめのサイズを選ぶ人が多いためだ。
大きいサイズのスニーカーに慣れていると、足にぴったり合うパンプスはきつく感じてしまう。本革の場合は、しだいに足になじんでくるので、「ちょときついかな」と思うくらいのサイズがちょうどいいのだが、慣れていないと違和感を覚える。ちなみに合皮の場合はサイズが変化することはないので、本革のようにぴったりのサイズを選んでしまうと、いつまでたってもきつい。また、足の形が靴のデザインと合わないといったケースもある。
ただ、本当は足に合っていなくても「指が当たる」といった感覚自体がわからない人が増えているという。こうした場合は、販売員に相談すれば、靴の上から触ってチェックするなど、正しい靴選びをサポートしてくれるだろう。初心者のうちは、自分の判断だけで靴を選ばず、販売員に相談してみるのが得策だ。
それでもやっぱりパンプスは苦手、という人はいるだろうが、より歩きやすいように機能面は進化している。たとえば、靴底の素材として、カンカン音がしない消音タイプのものを使ったり、雨の日に泥はねしにくいゴムを貼ったものなどが登場している。
「より歩きやすく、より快適な機能がずいぶんと充実してきました。購入前に、『こんな機能はありますか?』と一声尋ねれば、よりぴったりの1足が見つかると思います」(久松氏)
パンプスを購入した後、気になるのはその手入れだろう。「実はいちばん傷むのは、毎日履くこと。1日休ませるだけで、傷み方はぐっと変わります」(久松氏)。そう考えると、最低2足は必要になってくる。
また雨が多いこの時期には、防水スプレーを忘れずにかけておきたい。雨が降ったからといきなりスプレーをかけるのではなく、事前にスプレーをかけておいてきちんと乾かす。それを2~3度繰り返すことが基本だという。それだけで水はしみ込んでこなくなる。靴を買ったらまずスプレーをかけるクセをつけておきたい。そして、雨に打たれた後は靴用の乾燥剤などを使って乾かし、1日休ませる。ちょっとした手間で靴の寿命はぐっと延びるという。
これからうっとうしい梅雨の時期が始まる。歩きやすい1足を手に入れて、気分転換を図るのはいかがだろうか。
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