ビジネスでは、相手に清潔感を与えることが非常に大切であり、清潔感は肌の露出度に左右される。露出は少ないほうがより清潔に、またフォーマルに見える。だから、サンダル等はふさわしくないというわけだ。タンクトップのような肌の露出度が高い服がオフィスではNGなのと同じ理由だ。
「デザインについては、シンプルなものを選びましょう。一般に目立つ飾りが付いているものは望ましくありません」(伊東氏)
では実際にどういった靴を選べばよいのだろうか。「最初の1足としては、ビジネスはもちろん、冠婚葬祭でも使えるような何にでも合うベーシックな黒のパンプスをお勧めしています」と話すのは、洋服の青山などを展開する青山商事の第一商品部の久松真子氏。
基本は5cm、よく歩く人は3cmも
ヒールの高さは5cm程度が望ましい。ヒールが高いほどふくらはぎが引き締まり、バストのトップやヒップが上がるので、女性らしい美しい立ち姿になる。
一方、機能で考えれば、ヒールが高いほど不安定になり、歩きにくい。立ち姿が美しく、しかも安定感があって動きやすいというちょうどいい高さが5cmなのだという。
もっとも、営業職等で、歩くことが多い人は5cmでは高すぎるかもしれない。とはいえ、ヒールのない「ぺたんこ靴」はカジュアルに見えすぎるので、歩きやすさ重視の場合は3cmヒールを選ぶのが一般的だ。
「ヒールに慣れてきたら、より美しく見える7cm程度のヒールを選ぶ人もいます」(久松氏)。2~3足目についても、コーディネートをしやすいという観点から、黒のベーシックなパンプスを選んでもいいだろう。「ベーシックといっても、デサインはかなりバラエティに富んでいるので、おしゃれも十分に楽しめるはずです」(久松氏)。
たとえばつま先部分のデザインについては、丸くカットされたラウンド型、角形にカットされたアーモンド型、また、甲の部分にストラップが付いたかわいらしいデザインのものもあるし、さらに、カットした部分にステッチが入っているものもある。ちなみにラウンド型はスカートに合い、アーモンド型は、足をシャープに見せるのでパンツに合うという。
最近は、つま先がとがった「ポインテッド」と呼ばれるスタイルが流行している。それに合わせてビジネス用のパンプスでも、やや先がとがったタイプが増えてきたという。
靴の素材も、革のほかに、エナメル、布といったバリエーションがあり、それを変える楽しみ方もある。
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