6月3日夜、イギリスでまたもや無差別殺傷事件が起こった。発生場所はロンドンの中心部。事件発生から実行犯の射殺までわずか数分だったが、通行人ら7人が亡くなるという悲惨な結末を迎えた。
当局はこれをテロ事件と断定したが、先のマンチェスターでの自爆テロの記憶が消えないうちに起きたとあって、市民の間では怒りと戸惑いが広がっている。
現場は有名な観光スポット
「ロンドン橋が本当に落ちてしまったかのようだ」
現場となったロンドン橋は、日本でも親しまれている童謡の舞台で、テムズ川に架かる橋のひとつだ。現地テレビ局のキャスターは今回の事件を伝えるに当たり、童謡の一節を引用しながら、市民の怒りを代弁した。
この橋は、金融街シティとロンドン南東部の交通ターミナル・ロンドンブリッジ駅とをつないでおり、昼夜を問わず多くの車や歩行者が行き交う。今回の事件では、駅がある橋の南側からやってきたバンが橋の上でUターン、歩道を時速約80キロでジグザグ運転しながら暴走。何人もの歩行者をひいたうえで、車を乗り捨て、近隣にある食材市場のバラ・マーケット周辺で通行人などを刺した。
犯人らは通報を受けて急行した警察官により現場で射殺されたが、しばらくは実行犯が何人いるかもわからず、週末にのんびりお酒や食事を楽しんでいた人々は、長時間にわたり地下室やトイレで身を隠したり、警察官の指示のもとでテーブルの下に潜ったりと恐怖のひと時を過ごすことになってしまった。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら