「理不尽な上司」に振り回される部下の処世術 従順で人の良い部下程ターゲットになりがち

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この場合は、現状確認を定例化させることをしてみましょう。上司から何か言われる前に早めに「報告、連絡、相談」することを日課にしてしまうことをお勧めします。毎日決まった時間にメールを入れるでもいいですし、口頭で「今日の状況」伝えてもOKです。たとえ進捗がなくても、その状況を伝えることが大切です。「現状報告をする」ということで、上司を立てて安心させることが期待できるので、無用な作業中断の軽減につながります。

(3)「任せたよ」と言いつつ、最後にダメ出しする上司

部下に仕事を任せる際に、自分のはっきりした方針がないために丸投げしたにもかかわらず、いざ形が見えてくると「あーでもない、こーでもない」と、ここぞとばかりに口を出すのが特徴です。せっかくゴールに近づいてきたのに、振り出しに戻るなどのリスクがあり、現場は振り回されます。

被害を最小限にとどめるためには、進捗段階ごとに上司に逐一確認を取ることが必要です。「この方向性でよいでしょうか」と、プロセスや進行方法などのたたき台を上司に見せ、そこでなんらかの指示を仰ぐことで、微調整しながら進めていくことをお勧めします。

「任せたよ」と言われたからといって、最後までやってから上司に確認するのではなく、要所要所で意思疎通を図ることが必要なのです。

あなたが上司を変えることはできない

残念ながら、あなたがどんなに頑張っても上司を変えることはできません。したがって、できるだけ被害を被らないようにあなたの側が対策をすることが、最適な身の処し方なのです。

自分に全面的に非があるような気がして追いつめられる前に、まずは誰かに相談することも大切です。客観的な意見をもらうことで、「自責(自分に責任があると思い込む)スパイラル」から抜け出すきっかけが得られ、状況を冷静に判断できるようになります。身動きが取れなくなるほどの心理状況になる前に、状況の打開策を取り入れていきましょう。

大野 萌子 日本メンタルアップ支援機構 代表理事

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おおの もえこ / Moeko Ohno

法政大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。現在は防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関などで年間120件以上の講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス対策」を提供している。著書に『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)がある。

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