史上最悪の米ロ関係が世界にもたらす悪影響 北朝鮮問題からテロとの闘いまで

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「トランプ大統領就任以降、米ロ関係が悪化している」と発言したプーチン大統領(© POOL New / ロイター)

昨年の米大統領選挙戦中、ドナルド・トランプ大統領のロシアのウラジーミル・プーチン大統領に対する敬愛の言葉は、プーチン大統領が「トランプを知らず知らずのうちにロシアの工作員として採用した」、あるいは、「トランプはロシアにとって『便利なバカなヤツ』だ」と推測するワシントンのエスタブリッシュメント層を非常に当惑させた。

しかし、トランプ大統領就任から100日経った今、これは真実ではなかったことがわかった。米国がシリアのアサド政権による化学兵器を使った攻撃に報復して以降、米政府とロシア政府は辛辣な舌戦を繰り広げている。

史上最悪の「米ロ関係」

米政府は、ガス攻撃をロシアのせいだとする一方、ロシア政府は米国を国際法違反だと非難し、シリア上空での航空作戦の連携を行う米ロ間の合意を先延ばしにした。トランプ大統領は今、米ロ関係は「史上最悪かもしれない」と語っており、プーチン大統領は、両国関係はトランプ氏が就任して以降悪化していると話している。

共和党のタカ派、そして何人かの共和党議員でさえも、トランプ大統領のロシアに対する態度の「転換」を褒め称えているなか、1つハッキリさせたいことがある。それは、米国とロシアの間にどんな溝があろうとも、ロシアとの関係改善を図ることは米国にとっていいことだということだ。

その理由は以下のとおりだ。

双方で1万4000以上もの核兵器を抱えている米国とロシアは、お互いの国を何度も破壊させることのできる能力を擁している。世界のそのほかの地域も破壊できることは言うまでもない。双方は破壊力をさらに高めるために、それぞれの核兵器庫を刷新しており、偶発的な核戦争の危険性は高まっている。

しかし、米国とロシアの核弾頭の配備を制限する条約の明らかな破棄であるトランプ大統領の「兵器開発競争にしてしまおう」という発言から判断すると、トランプ大統領は核戦争が勃発する危険性は考えていないようだ。

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