史上最悪の米ロ関係が世界にもたらす悪影響 北朝鮮問題からテロとの闘いまで
もし、トランプ大統領が本当に「米国第一主義」の外交方針を信じているのなら、彼は米ロの核戦争のリスクを下げることに集中すべきだろう。これは米政府がロシア政府と交渉した場合にのみ実現できることだ。
米国とロシアはどちらも世界中で起きているテロと闘いたいと考えている。ロシアのサンクトペテルブルク地下鉄で起きた最近の自爆攻撃や、1月にトルコのイスタンブールで起きたナイトクラブ爆破事件は、旧ソ連出身のロシア語を話す人々がますます過激化していることを示した。
そのうちの推定5000~7000人がイスラム国(IS)と闘っているが、ここにはロシアの出身者も2400人含まれている。
北朝鮮もシリア問題解決もロシアがカギに
また、米国はロシアに、紛争地域のさまざまな危機を解決、あるいは少なくとも封じ込めるのを支援するよう求めている。たとえば、ロシアとアサド政権との関係は、ロシアの支援なしにシリア内戦を終結させる解決策はないということを示している。トランプ大統領が、今すぐアサド大統領を政権から引きずり下ろしたいと考えているならなおさらだ。
ロシアは、北朝鮮政府とも経済的つながりを深めてきた。そして、国連安保理の5つの常任理事国のうちの1国として、北朝鮮を経済的または政治的にさらに締め付けようとする米国の取り組みを支援することもできれば、阻止することも可能だ。米国にとっては残念なことだが、ロシア政府はつい最近、米国による北朝鮮のミサイル実験を非難する国連安保理での声明の草案を阻止したばかりだ。