外国人が感じる東京に絶対ない九州の「魅力」 2016年の外国人観光客数は30%増!

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欧米の観光客の多くは東京や、ほかの都市に行きたがるが、数日後には退屈して、来る前に想像していたような「本当の日本」を見たくなる。それは言い換えれば、日本の伝統的な芸能、工芸、文化などだ。さらに、欧米諸国から来る人の多くは、東京のような大都市に身を置くことに慣れていない。私の故郷オレゴン州では、ポートランドはかなりの大都市だと思われているが、その人口は福岡の約3分の1だ。

具体的に、九州がアピールできる場所は数多くある。宮崎県の高千穂町とその美しい渓谷や、日南海岸、天草諸島、長崎県の九十九島、佐賀県の陶磁器の町、福岡農村部のイチゴ農場と酒蔵、薩摩半島――。どの地域も単に自然豊かで景観が美しいというだけでなく、外国人が求めるような日本的な「たたずまい」がある。見た目や雰囲気だけでなく、その地域の歴史や文化などもきちんと宣伝できれば、外国人は必ず引きつけられるだろう。

外国人に知ってもらいたい九州の多様性

さて最後に、外国人が訪れるべきだと思うオススメの場所をいくつか挙げておこう。九州の魅力はなんといってもその多様性にある。本州から良い意味で「独立した」文化を擁し、ここに住む人たちはそれぞれ、その文化にプライドを持っている。このカラフルかつ歴史豊かな地域をぜひ、世界のもっと多くの人に知ってもらいたいと思う。

軍艦島:
言わずと知れた世界遺産。10年、20年後になくなっているかもしれないことを考えると、ぜひ今訪れるべき場所だ。建物の多くは古く、いつ倒壊してもおかしくない。最近ではミュージックビデオや映画の撮影に使われるなど、廃屋と自然が調和した珍しさは外国人にとっても面白いはずだ。
佐賀県と福岡県の酒蔵:
佐賀、福岡の酒は、近年多くの賞を獲得している。日本酒ファンの間では、東北や広島のような有名な地域の酒と同じくらいおいしいと評価されている。
福岡の屋台、ラーメン:
九州の食文化は豊かだが、なかでも福岡の屋台文化は面白い。近年では、ラーメンファンの欧米人も数多くいるので、屋台の「はしご」文化を宣伝してみてはどうか。
薩摩半島:
知覧には庭園とおいしいお茶が楽しめる武家屋敷がいくつかあり、知覧特攻平和会館は(悲しくもあるが)興味深い。近くの指宿と有名な砂浴は最高だ。そしてどの場所も、九州新幹線の終点である鹿児島市から日帰りで行ける。
真木 鳩陸 フリーランス翻訳家、ライター

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まき ぱとりく / Patrick Mackey

米国・オレゴン州生まれ。2004年早稲田大学で留学、2006年オレゴン大学卒業後、日本に移住。兵庫の旅行会社でライター・HPコンテンツ制作担当をした後、大阪の翻訳会社で翻訳家、コピーライター、校訂者を経て、フリーランス翻訳家・ライターに(現在は九州に在州)。『Osaka Insider: A Travel Guide for Osaka Prefecture』『Finding Fukuoka: A Travel and Dining Guide for the Fukuoka City Area』を出版。2016年12月に日本国籍を取得。連絡先:makipatoriku@gmail.com

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