仏大統領選、マクロン勝利でEU離脱「なし」か

ただ経済政策があいまい、若さゆえの弱点も

1回目投票トップのマクロン氏が勝利濃厚。新仏大統領になれば、EU離脱の選択肢はなくなる(写真:Sipa Press/amanaimages)

注目のフランス大統領選挙の1回目投票が4月23日に行われ、無所属で中道のエマニュエル・マクロン氏と極右政党「国民戦線」党首のマリーヌ・ルペン氏が5月7日の決選投票に進むことになった。敗北した他の有力候補は、相次いでマクロン氏支持を表明しており、マクロン大統領誕生の可能性が大きくなった。

フランスのテレビ「フランス2」によると、トップ通過を果たしたのはマクロン氏で、予想得票率は日本時間の24日午前4時50分時点の推定で23.9%。2位のルペン氏が同21.7%だった。以下、最大野党で共和党のフランソワ・フィヨン氏は20.0%、急進左派のジャン=リュック・メランション氏が19.2%と、上位2人にはあと一歩およばなかった。政権与党で社会党のブノワ・アモン氏は6.3%にとどまり、1958年から始まった現在の第五共和制の下で初めて、中道右派と中道左派の政党から大統領が選出されない、異例の展開になった。

「サプライズはまったくなかった」。フランスのテレビのインタビューに有権者の一人はこう答えた。混戦が予想されていた1回目投票は終わってみれば、ほぼ直前の世論調査通りと言っていい結果だった。得票率をみると、上位4候補の争いは、最後までデッドヒートとなった感が強い。

「右でも左でもない」立場で票集める

トップで決選投票進出を決めたマクロン氏は、「右でも左でもない」立場を掲げ、39歳という若さも武器に幅広い層から票を集めた。欧州連合(EU)との連携強化を訴え、「財政赤字を対GDP比3%以内に収める」という、EUのルールを尊重する立場をとる。法人税率については現行の33%から25%への引き下げを掲げるなど、民間企業の支援を通じて経済の活性化を図る考えを説く。

一方、ルペン氏の主張は、「反EU、移民排斥」。EU離脱の是非を問う国民投票の実施を公約に掲げ、移民に関してはネットで1万人に抑制、難民管理を厳格化するよう求めている。フランスでは若年層中心に失業率の高止まりが続いており、「移民などに雇用を奪われる」と不安を抱く人々などの支持を追い風に決選投票へコマを進めた。

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