「つじ田」のつけ麺が圧倒的に支持される理由

異色の立地戦略とアメリカ進出成功の秘密

看板メニューはつけ麺だ。濃厚なつけダレに極太の麺をくぐらせ、一気にすする。黒七味を途中でかけたり、すだちを搾ったりなど、食べながらその表情を変えていく。都内の大手企業に勤務する26歳の女性は「ラーメンは胃にもたれやすいが、『つじ田』ならその心配がなく、ちょくちょく通っている」と話す。

つけ麺にはすだちが乗っている(筆者撮影)

店名に「二代目」という文言を入れたり、店に家紋をつけたりなど、お店もメニューも高級和食店のような作りで、居心地のよさやおいしさを演出している。

これも今のラーメンシーンに大きく影響を与えているといっていいだろう。

「つじ田」の立地戦略

特異性は、立地戦略にも表れている。「つじ田」は都内8店あるが、そのうち、御茶ノ水エリアに4店、飯田橋エリアに3店と、集中的に出店している。いわゆる「ドミナント戦略」だ。ドミナント戦略をとっているお店はこの規模のラーメン店だと、他は「すごい煮干ラーメン 凪」の新宿エリア(3店舗)ぐらい。通常、大手チェーンでもここまでのケースはそうそうない。同じエリアにお店をあまりに集中させると、同じチェーン店間でのお客の奪い合いになりかねないからだ。

アメリカに進出しているのも特異といっていいだろう。2011年に「つじ田」がロサンゼルスに出店した当時、アメリカで成功している日本のラーメン店は「一風堂」「せたが屋」など一握りだった。「つじ田」の規模のラーメン店としては「無謀」と業界内外でささやかれるほどのチャレンジだった。1億円を投じ、うまくいかなかったら倒産もありえた。

それが大成功を収めた。2時間半待ちの大行列を作り、話題となったこともある。通常、売り上げやリスクを考えればアジア進出から始めるのが通例となっているが、「つじ田」はアメリカを選んだ。「従業員に夢を与えるためにアメリカを選びました。自分の働いているつじ田は世界にも通用するんだ!ということを知らせたかったんです」。「つじ田」を率いる店主の辻田雄大氏は言う。都内での成功を生かして、アメリカ・ロサンゼルスでもドミナント戦略を打ち出していく腹づもりだ。

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