「つじ田」のつけ麺が圧倒的に支持される理由 異色の立地戦略とアメリカ進出成功の秘密

✎ 1〜 ✎ 4 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 最新
拡大
縮小
つじ田 奥の院(筆者撮影)

「つじ田」では原則として限定ラーメンをほとんど出していない。「つじ田」は「試験的」というワードをNGにしている。看板メニューよりも美味しい限定メニューというのはなかなか作れない。

お客の目線で考えれば限定メニューを出すより今ある商品をブラッシュアップすることを優先すべきという考えだ。新しいラーメンを作るのであれば限定ではなく新店でやるべきということで、ドミナント戦略で出店した新店で新メニューを出し続けている(「味噌の章」「井関屋」「奥の院」「成都正宗担々麺 つじ田」など)。

ラーメン作りを始めたきっかけ

成都正宗担々麺 つじ田(筆者撮影)

そんな辻田氏はもともと居酒屋や料理店を経営する会社の社員として働いていた。当時は板前を雇って店舗を運営していたが、「自分で作れる料理で独立したい」という思いのもと、ラーメン作りを始める。当時の会社の社長が昔「めん徳」というラーメン屋を営んでいたことを知り、その社長にラーメンを教えていたフレンチのシェフの下を訪れる。その先は独学でラーメンを勉強する。

「青葉」「東池袋大勝軒」「田中商店」が好きだった辻田氏。大好きなこの3店のラーメンを1杯で表現できないかと模索し始める。「青葉」「東池袋大勝軒」の魚介の感じと、「田中商店」の白濁した豚骨、これを合体させ、しかも大好きなつけ麺に仕上げる――こうして「つじ田」の白濁した濃厚豚骨魚介つけ麺が生まれた。

その後、「とみ田」「六厘舎」「TETSU」なども続々オープン、濃厚豚骨魚介つけ麺は瞬く間に大ヒットとなり、ブームが訪れ、今に至るのである。

次ページ店舗運営で最も重視していることとは
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT