できる人ほど服装が野暮ったくなる深いワケ あえてエコバッグを使う経営者もいる

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ある世界的企業で、世界2位のセールスの成績を持つ営業コンサルタントは、「見た目にヌケをつくったほうが営業成績は上がる」と言います。

たとえば、彼女がキャリアウーマン風の女性に指導するのは、

「変な丈のスカートで行け」

「やぼったい髪形で行け」

ということ。実際、そのほうが成約率がずっと高くなるのだそうです。

営業など、特に初対面では相手に威圧されたくない気持ちが強くなるものですが、見た目で圧倒されると、その後の関係が築きにくくなってしまいます。

そんなこともあり、あえて「ヌケ」をつくって、相手に安心してもらい、相手とコミュニケーションを取りやすくするのだそうです。

成功するには、「かっこよさ」ではなく、ヌケを

実は、私も同じことを経験しました。

私は以前、アメリカのブルームバーグでキャスター(アンカー)としてテレビに出ていました。欧米では、ジャーナリストは、厳しい質問でも切り込んでいって当たり前、という世界です。そこで私も「日本を代表する経済キャスター、アンカーウーマン谷本有香」というペルソナをつくって、質問もそれにふさわしいものを用意し、きりっとしつつ余裕のある表情で、毎日の仕事に臨んでいました。

当然、見た目もカンペキにして、「カッコよく見られたい」「ナメられたくない」という気持ちから、スーツはスタイリストさんに用意してもらい、ネイルもバッチリやっていました。

しかし、「かっこよく見せよう」「いい質問をしてやろう」と思えば思うほど、うまくいかないことが続きました。

私が担当した番組の視聴率はよかったのですが、思うようにスクープが取れません。鋭く切り込んだ質問も、のらりくらりとかわされてしまい、いい答えが引き出せないのです。ぎくしゃくした雰囲気になってしまったり、「あまり怖いこと聞かないで」と言われたこともありました。

いくらかっこよく質問をしたところで、すでに新聞に出ているような内容しか引き出せないのであれば、私は役目を果たしていないことになります。これでは明日の仕事につながりません。

そんなとき、ある方にこう言われたのです。

「あなたそれじゃソンするよ」

「かっこいいことは成功じゃない。本当にスクープをとりたいならヌケをつくったほうがいい」

と。

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