市場価格の決定のメカニズムは需給のバランスによって決まります。経済学の観点で言えば、お客は価格と買いたい数量の関係を心積もりしているだろうと考えます。簡単にいうと、値段が安ければたくさん買い、高ければ少ししか買わないということです。
お客側の論理としては、上カルビを注文したら、高価格ゆえ、想像よりおいしくなかったらどうしようという心理が働きます。リスクヘッジのため、カルビなら、まずは中カルビ(カルビ)からというオーダー心理になります。店側の論理としては、メジャー部位のカルビは、安かろう悪かろうの肉質だとなじみの味なので、お客さんに肉質を見抜かれる可能性があり、気が抜けない部位と言えます。価格に関しては、他店との競争上、緩やかな縛りがあると考えられます。
この状態で競争に打ち勝つには、緩やかな縛りの価格帯である1000円前後の設定で、ライバルと同じ価格でも、より付加価値の高い商品、つまり、質で勝負するようにならざるをえないので、中カルビがおいしい焼き肉店はおススメになります。
もう1品選ぶなら、迷わずハツで鮮度を見極める
3つ目の見極めポイントはハツ。ファーストオーダーのタン塩に変わりうる存在として以前、『焼き肉の注文』今さら聞けない基本中の基本」(2016年11月24日)で心臓にあたるハツを提案しました。焼き肉とは、肉本来の味を塩やタレで楽しむものではありますが、ハツなどで食感の違いを楽しむものでもあります。
鮮度の高いハツを見分ける方法は、切り口が緩んでおらず、角ばって、エッジが効いているハツであり、置いているお店は鮮度にこだわりをもつ良店だと言えます。ハツは扱いが難しい部位でもあり、ハツの質は焼き肉店の質とイコールと言っても過言ではありません。
4つ目の見極めポイントは、おもてなし精神があふれる店員の存在の有無です。最近、焼き肉店に入店すると、牛の図柄と部位が書かれているパネルを目にすることが非常に多いです。ただ、これだけでは部位の特徴、焼き方、食べ方までわからないケースも非常に多いです。ここはぜひ、店員さんに直接聞いてご指南いただきたいところです。
部位の詳細な説明と部位に合ったタレや塩、ワサビなどの食べ方を指南してくれたり、部位に合った焼き方の指南をしてくれたりするかどうかを見極めましょう。たとえば、「どうやって焼けばいいのかわからない」という顧客に対し、「じゃあ数枚、手本をお見せしましょう」と部位の特徴に合わせた焼き方を見せるおもてなし精神あふれる店員が働いているお店はお薦めです。
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