09年4月登録販売者導入だが 「コンビニで大衆薬」実現は数年先

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 薬事法改正により、2009年4月、登録販売者制度がスタートする。この資格者さえいれば、薬剤師がいなくてもほとんどの一般用医薬品(大衆薬)を販売できるようになる。コンビニやスーパーなど薬局以外の小売業にとって、「大衆薬販売へ参入する絶好のチャンス」と、当初は言われていた。

薬剤師不足が慢性化 店頭では“違法”販売も

そもそも、厚生労働省が販売制度改革に着手したのは、ドラッグストアなどの“違法行為”が常態化していたことが原因だ。

従来、すべての大衆薬を販売するには国家資格の薬剤師免許が必要。薬局やドラッグストアに対して、営業時間内の薬剤師常駐義務が薬事法上定められていた。だが、薬剤師不在で薬が売られることが、一部の店では常識化。05年には大阪地盤のドラッグストア、キリン堂が府から業務停止命令を受けている。03年にはディスカウントストアのドン・キホーテが、薬剤師の常駐義務が果たせない夜間に、テレビ電話やカタログを介した医薬品の販売を試みたが、早々に厚労省の指導を受け、中止に追い込まれた。

こうした問題の底流にあるのは、業界内の薬剤師不足だ。ドラッグストア業界は全小売業の中でも数少ない成長産業。日本チェーンドラッグストア協会の調べによると、07年度の業界総売上高は前年比6・2%増となった。オーバーストアと言われているものの、各社の出店攻勢は今もなお続いている。

しかし、「品出しなどの専門外の業務をやらされ、激務に陥りやすい」などの理由から、ドラッグストアは薬剤師の就職人気が低い。加えて、06年度から薬学部が4年制から6年制に変更された。つまり、10年度と11年度は新卒薬剤師が出ないことになる。ドラッグストア各社は、空白期間中の出店に備え、ここ数年、薬剤師の採用を拡大している。複数の要因が重なって、ドラッグストア業界は空前の薬剤師不足に陥っているのだ。

業界が「薬剤師がいないならそれに代わるものを」と考えたのも無理ないだろう。日本チェーンドラッグストア協会の提言を受け、厚労省は「販売実態に合わせるため」(永井宏忠薬事情報専門官)、新資格創設など販売制度改革に着手した。

まず、大衆薬を副作用リスクや用法などに応じて第一類~第三類に分類。効き目が強くリスクが高い第一類医薬品は薬剤師だけが販売し、比較的リスクが低い第二類、第三類の医薬品は登録販売者でも販売できるようになる。「第一類の構成比は5%程度」(大手ドラッグストア幹部)と言われており、ほとんどの大衆薬は登録販売者資格さえあれば販売可能になる。

 

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