サバも「ナマ」で食べる福岡食文化の真実 食材のクオリティが他県人、外国人を吸引

拡大
縮小

思惑通り、福岡のワタリガニや長崎のサザエ、熊本のクルマエビなど九州産の魚介類セットがヒット。東京でも「予想以上の売れ行き」(広報)という。

手づかみで食べるカニやエビなどのシーフード料理

ナポリ名店も絶賛する実力

ダ ミケーレ最高経営責任者のフランチェスコ・コンドウッロ氏(左)から「マエストロ」の証明書を授与される疋田さん(右)=福岡市

そんな福岡をイタリア人男性2人が訪れたのは、15年2月のことだった。アレッサンドロ・コンドゥッロ氏とリッカルド・ドゥルソ氏。

ナポリで150年近い歴史がある有名なピザ店「アンティーカ ピッツェリア ダ ミケーレ」の取締役とインターナショナルマーケティングマネジャーだ。

東京に次ぐ国内2号店を出そうと、名古屋、京都、大阪を視察し、福岡へ足を伸ばした。

ピザ生地の上に載せるナポリから空輸したフレッシュチーズ。「鮮度が命」という

タイやイサキ、タコ、エビ、イカ…。パスタやカルパッチョに使う魚介類の豊富さや鮮度、価格の安さはどれも高い評価を得た。市内の飲食店にも入って、料理のレベルの高さを確認。「食材の良さ」を裏付ける根拠になった。

さらに、空港へのアクセスが決定打となったようだ。ナポリから空輸するフレッシュチーズは鮮度が命。福岡空港から市中心部までは、車で約30分しかかからない。

「ミケーレのコンセプトに合う街だ」「将来的にもっと可能性が広がるロケーションだ」

2人は福岡を出店地に選び、同年10月にオープンさせた。

次ページ山梨県出身の料理人が福岡について思うこと
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT