ドイツ人は「沢山の余暇」をどう過ごすのか 10人に3人がスポーツクラブに入る意味とは
2月末、日本で最初の「プレミアムフライデー」がやってきた。「自分にはまったく関係なかった」という人から、早く帰って満喫できたという人まで、反応はさまざま。この施策によって期待される効果の1つが、余暇時間の増加によって旅行や外食などの消費増につながるというものだ。個人が自由に使える「可処分時間」が増えることは、消費に限らずさまざまな方面へのインパクトが期待できるだろう。
ドイツでは、金曜日午後のオフィスは「空っぽ」
一方、ドイツでは「プレミアム」などつけるまでもなく、金曜日の午後のオフィスは空っぽになるところがかなりある。もちろん、ドイツでもマネジャークラスが働きすぎであるとか、予定が過密になりすぎるなど、個人レベルの愚痴から、大きな課題までそれなりにある。それにしても、日本に比べて人々の可処分時間が多いと思う。
日本で「過労死」や「労働生産性」といった労働問題が噴出した1990年代から、労働時間や労働環境の話となると、ドイツは引き合いにだされる国のひとつだった。とくに、職住近接、短時間労働、長期の有給休暇はよく知られている。
ドイツの人々は、自由な時間をどのように活用しているのだろうか。人々のおしゃべりで「よくある話題」のひとつは、長期休暇の計画だ。そして、日常的な余暇時間の過ごし方を見ると、「テレビを見る」がトップに来るのだが、日本のNPOに相当する組織で活動する人も少なくない。
代表的なものが、スポーツクラブだ。NPOに相当する組織が運営しており、ドイツ全国に9万施設程度ある。といっても、企業が運営しているトレーニングマシンが並ぶタイプの「クラブ」とはちょっと違う。19世紀からの歴史があることから、創立100年以上というクラブもざらだ。
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