「車優先」からいち早く転換した米大都市の今

交通を運賃収入に頼らない「公共サービス」に

長距離列車が発着するユニオンステーション(奥)をバックに走るポートランドのMAXライトレール(筆者撮影)

LRTの3文字を見て、鉄道好きがまず思い浮かべるのは欧州の都市ではないだろうか。しかしLRTはライト・レール・トランジットの略で、英語が語源であり、1970年代に北米で生まれたものだ。

既存の鉄道(ヘビー・レール)や地下鉄に代表される高速鉄道より小型軽量の車両を用い、費用の掛からない都市型鉄道システムというのがライトレールの定義で、現地でストリートカーと呼ばれていた路面電車の進化形と考えられた。

北米で最初のLRTとされているのはカナダのエドモントンの路線で、1978年に開業した。米国では1981年のカリフォルニア州サンディエゴが最初だった。その後ロサンゼルス、デンバー、セントルイスなど各都市に広まっている。いずれも新規開業路線であり、路面電車の近代化・高機能化によってLRTと呼ばれるようになった欧州とは経緯が異なる。

LRTと路面電車は別ジャンル

欧州は路面電車とLRTが同一と見なされることが多く(トラムという呼び方も一般的)、我が国の国土交通省もLRTのことを「次世代型路面電車システム」と呼んでいるが、北米はストリートカーとは別のジャンルとして認識しているようだ。

ストリートカーとはその名のとおり路面電車であり、都市内回遊のための乗り物なのに対し、LRTは郊外と都心を結ぶ鉄道として位置付けられている。ゆえに同一の都市にLRTとストリートカーの両方が存在している都市もある。オレゴン州最大の都市ポートランドもそのひとつだ。

ポートランドでは1986年に最初のLRT路線が開業し、2001年にストリートカーが走り始めた。現在はLRT5路線、ストリートカー3路線を擁している。総延長は約110キロメートルと、日本最大の路面電車ネットワークを持つ広島電鉄の約3倍になる。

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