「ディクショナリー」ではなく「アクショナリー」
――秘訣は?
日本の学校で習うようなやり方ではなかなか難しいですね。もちろん英文を理解することはできるとは思いますが。大切なのは、脳みそだけを使うのではなく、五感を使って英語を体感することです。それをわたしは「actionary」と呼んでいます。「dictionary」が辞書なら、「actionary」というのは体を動かしながら英語を理解していくこと。アクションで言葉を体得するというのが秘訣です。
「勉強しなさい。英語を習いなさい」と言われても、勉強したくないですよね。でも五感を通したものって、ものすごく印象に残るんですよ。頭だけでなく、心や体を使って。だから歌なんかもいいですね。好きな歌だとそれだけで発音も表現も覚えちゃいますから。そうすればすぐに英語が身に付くようになりますよ。英語に自信がつけば、それだけで楽しいじゃないですか。外国に出て話が伝わるとやっぱり違いますからね。
――いつもエネルギッシュな奈良橋さんですが、若い人たちに向けてアドバイスをいただけないでしょうか。
誰でも自分の中にきらりと光る部分を絶対に持っているはずです。それを発見していないだけ。たとえば趣味の話題などから「えっ? そういうこともやるんですか?」と話が盛り上がったりする。そうすれば相手にもあなたの印象が残ると思います。海外の方と仕事をしていくときには、ちゃんと自分はこういう人間であると自己紹介をするべきです。結局、対話をする相手は会社ではなく、個人と個人ですからね。
日本の文化は間違うことを恐れてしまう傾向がありますけど、アメリカではそうじゃない。だから堂々と間違っていいと思う。自分のことを伝えていけば相手と友達になれます。そうすればもっともっといろいろな仕事ができるようになる。人間は間違えたほうがいろいろ覚えていきます。確かに間違えた瞬間は滑稽かもしれないけれど、逆に相手との距離が縮まることもあると思うのです。
だからもっと自分に自信を持って、自分の伝えたいこと、表現したいことをもっと探っていくことが大切だと思います。若い人たちには本当に頑張ってほしいです。
(撮影:田所千代美)
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