最近「クールジャパン」と言うじゃないですか。日本はかっこいいと。アメリカが建国される前、何千年もの歴史がある国だから奥深いのです。ただ、日本には沈黙を美徳とする文化があるので、外に向かってあまりバンバン言わない。だから日本のことがあまり知られていないんですよ。でも知らない分だけ彼らも興味があるし、知りたい。映画界でも、日本で撮影するとなれば、「絶対に行きたい!」と言いますよ。ハリウッドは今、日本に興味を持っています。良質でいいものを提供すれば、絶対にはやりますよ。
ただそのためには、海外においては主張するべきことはもっと強く主張する必要があると思います。でないと日本の存在感自体がどんどん失われてしまうと思うのです。
外国映画に登場する「日本」に違和感
――ハリウッドの映画が日本を描くと、「それは日本じゃない」と言いたくなるようなシーンもあります。そのことについてどう考えていますか?
監督のタイプも大まかに言うと2つあると思います。ひとつは、日本のことをすごく尊重している人。そういう方はこちらが「ここは間違っている」と指摘すると、「じゃあ直そう」と受け入れてくれます。
そしてもうひとつは、自分の世界を持っていて、本当は(日本の描写は)こうだと知っているけれども、あえて違う描写でやってしまう人。美的感覚が違うのでしょうね。ただ、私がキャスティングした日本人の俳優さんに関しては、きちんとこちらの意向を説明して、衣装などにも意見を取り入れてもらいました。
――今回の『終戦のエンペラー』は、そうした「日本らしくない」という違和感はありませんでした。
今回はキャスティングだけでなく、プロデュースをしましたから。美術やメイクなどもすべてチェックしました。
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