ドラゴンズ浅尾が、マイナス思考にふける理由 最強の守護神に学ぶ、失敗との向き合い方

✎ 1〜 ✎ 16 ✎ 17 ✎ 18 ✎ 最新
印刷
A
A

浅尾の“失敗学”

この「小さな積み重ね」という言葉にこそ、浅尾の哲学が潜んでいる。一般的に目標は「短期、中期、長期で立てろ」とか「高く持て」と言われるが、浅尾の考えは対照的だ。
「自分は次の日のことしか予定を決めたくないタイプなのです。だから高い目標は立てないようにしています。何試合登板とか、防御率は何点台とか、届くか、届かないかギリギリのところにしか立てないですね」

2013年の目標は、「1年間1軍にいること」だった。

「簡単そうに聞こえますけど、実際にチームでそれを達成するのは3人くらい。1軍にずっといるということは、打たれてもいないですし、ケガもしていない。それが毎年の目標で、変わらないですね」

今季はシーズン開幕前に右肩を負傷し、3月のワールド・ベースボール・クラシックに出場できなかった。ようやく復帰したのは、ペナントレースが後半戦に差し掛かる直前の7月中旬。シーズンが始まる前から目標を達成できず、感じたことも多いだろう。

浅尾は昨シーズンも右肩をケガしているが、こんな話をしていた。

「昨年だいぶ自信をなくしたので、今年はまた1からですね。毎日試合に出ていると、1軍で投げるワクワク感が薄れてきたりするんです。正直、1軍にいるのが当たり前と思っていた部分もありました。2軍にいたときは周りも本当に必死ですし、僕も早く上がりたかった。実際に1軍に上がったときはすごく緊張しましたしね。1軍と2軍では緊張感が全然違うんですよ」

誰しも失敗は避けたいものだが、同時にキャリアアップを果たすうえで必要不可欠なものでもある。成功以上に、学ぶべきものがたくさんあるからだ。だからこそ、浅尾は達成できるかギリギリのラインに目標を置くのだろう。実現できなければ原因を探し出して向き合い、クリアできれば少しハードルを高くすればいい。

「成功して当然、失敗すれば非難される」という浅尾の“失敗学”には、学ぶべき発想法がたくさんある。

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
パチンコ、「倒産」と「リストラ」ドミノの深刻背景
パチンコ、「倒産」と「リストラ」ドミノの深刻背景
空前の中学受験ブーム、塾業界の子ども争奪戦
空前の中学受験ブーム、塾業界の子ども争奪戦
そごう・西武、後釜に「ヨドバシ」が突如登場の衝撃
そごう・西武、後釜に「ヨドバシ」が突如登場の衝撃
AGCが総合職の月給3万円アップに踏み切る舞台裏
AGCが総合職の月給3万円アップに踏み切る舞台裏
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT