150人の部員全員で練習するメリット
昨年の秋、創部7年目にして全国の頂点に立った新興大学のシンデレラストーリーは、野心豊かなベンチャー企業にとってさまざまなヒントが隠されている。チームが誕生した2006年から桐蔭横浜大学硬式野球部を率いる齊藤博久監督に話を聞いたとき、そんなことを感じさせられた。
全国的な知名度が決して高くない桐蔭横浜大学で、現在、高校時代に甲子園出場を果たした部員は157人のうちわずか21人。系列の桐蔭学園高校は全国でもトップクラスの野球強豪高として知られているが、有力選手は六大学や東都大学を卒業後の進路として希望する。桐蔭学園の高校と大学は同じグラウンドで練習しているものの、境遇的には大きな隔たりがあるのだ。
グラウンドの優先使用権は高校にあり、桐蔭横浜大学が練習できるのは午前中に限られる。他校と比べて不利な環境に見えるが、ここにこそ新興大学が全国制覇できた理由が潜んでいると齊藤が明かす。
「うちは150人の部員全員で練習するから、チーム全体で意思疎通することができるんです。大学も午後に授業を受けられるようにカリキュラムを組んでくれて、非常に協力してくれていますね。『午前中しか練習できないのは大変』と言われますが、実は恵まれた環境だと思っています」
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