西野亮廣「僕はこれで勉強が好きになった」 「学びを娯楽に変える」究極の方法は?
西野:4冊目の絵本をつくったとき、「おカネ」のことで感じたことがありました。
藤原:『えんとつ町のプペル』ですよね。たしか、分業制で作ったとか。
西野:ええ。僕はずっとおカネに興味がなかったんですが、「好きなことで生きていこう」と決めたとき、おカネときちんと向き合わなければならない現実に気づいたんです。やりたいことがあっても、おカネがないとできないじゃないですか。
藤原:そこではじめて「クラウドファンディング」を知ったんですか。
西野:そうなんです。おカネときちんと向き合い、おカネの正体を把握することで、活動の幅が一気に広がりました。「面白い」ことの選択肢が増えることがわかったんですね。そこで、「なぜ学校でおカネの授業をできないのか」という疑問が湧いてきたんです。
藤原:それには、先ほど述べた「決まったカリキュラムの下に教えなければいけない」というルールに加えて、先生というのは「経済といちばん遠い人」がなっているという実態もあります。だから、「おカネの話」は不得意という現実もあるんです。
「正解」と「納得解」の両方を学ぶ場所が必要
藤原:つまり、いまの学校は「正解だけを教え続けている」のが現状なんです。しかし、「正解」を正しく運用すればやっていける時代は終わりつつあって、これからは「正解のない問題」が増えていくはずなんです。「正解」ではなく「自分なりの答え=納得解」を見つける力をつけることも、今後の学校教育では必要なことだと思うんです。
西野:でも、「正解」を教えるのがいけないわけじゃないですよね。
藤原:そうですね。たとえば、外国人が日本に来たときに何に驚くかというと、時速300キロメートルの新幹線が分単位で正確に発着することだというんです。そんな国はほかにない、と。
西野:ほかで言ったら、値段の安いカジュアルなレストランでも別々の料理が同時に温かい状態で出てくるという感じですか?
藤原:そうそう。こうしたきまじめさが外国人を引き付けるわけです。そう考えると、「正解」と「納得解」が7対3ぐらいの割合になるようにするのが、いちばんいいんじゃないかと僕は思うんです。
西野:なるほど、たしかにその「きまじめさ」は日本の強みですね。そう考えると「7対3」ぐらいがよさそうですね。
(構成:高橋 扶美/佐藤 真由美)
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