SNSの「購入ボタン」が大失敗に終わったワケ

TwitterもFacebookも廃止した背景

イーマーケターのアナリストであるクリスタ・ガルシア氏は、依然として少数のユーザーは「Buy」ボタンに魅力を感じていると語る。その一方、いくつかの調査によると、多くの人が「ソーシャルプラットフォームのどこに『Buy』ボタンがあるのかわからない」と答えており、その存在すら知らない人もいたようだ。

「スクロールしているうちに、見失ってしまうのかもしれない。累積需要があるという見方もあるが、しかし、それはまだ確認できないない」と、ガルシア氏は語る。

複雑な購入プロセスも課題

ワンダーソース、ヒュージといったエージェンシーの担当者たちは、「Buy」ボタンの採用が遅れている理由のひとつとして、購入プロセスがeコマースサイトのようにシームレスではないことを挙げる。また、ムーブメントストラテジーの共同設立者ジェーソン・ミッチェル氏は、「Buy」ボタンを通じた購入プロセスについてユーザーに慣れてもらうよう、プラットフォームは努力しなければならないという課題を感じている。

メディア・ストームのチーフデジタルオフィサー、チャーリー・フィオーダリ氏は、「アマゾンはイノベーションによる、時間節約を実践しているから成功している。ソーシャルプラットフォームの『Buy』ボタンにはよくわからない購入プロセスがある。そのボタンの上にカーソルを合わせ、素晴らしい買い物をしようと考えている人たちがいることは想像できるし、このボタンは絶対に必要だが、購入プロセスにどれだけの時間がかかっているのかを見直さなければならない」と述べた。

決済プラットフォーム、スプリードリーのジャスティン・ベンソンCEOは、不適切な在庫管理と消費者意図の誤った理解が「Buy」ボタンの問題になっていると述べた。「オンラインの買い物客は購買前に数回Webページを訪れる傾向があるため、『自然発生的な購入』を前提にしたこのサービスは、おそらく重大な間違いだったのだろう」と語る。

米エージェンシー、ザ・コミュニティのデジタル戦略担当ディレクター、アンディ・アメンドラ氏によると「ツイッター、およびソーシャル全体の消費者は『購入モード』ではなく、むしろ『検索モード』にある。 ミレニアル世代のほとんどが『モノによっては、いまが良ければ、それで良い』という傾向にあるが、その彼らもいまはまだ『Buy』ボタンを押す準備はできていない」と語った。

Ross Benes(原文 / 訳:Conyac)

DIGIDAY[日本版]の関連記事
インスタ「購入ボタン」、なぜコマース企業に普及しない?:とある広報担当者「そこでの売上は少ない」
eコマースと直結したファッション誌『ポーター』の実験:紙とデジタルの新しい関係
インスタ、通常投稿に対する「購入ボタン」実装テスト開始:利用に広告料金は不要
 
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
  • 最新の週刊東洋経済
  • 近代日本を創造したリアリスト 大久保利通の正体
  • 賃金・生涯給料ランキング
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ウエルシアがイオンと挑む「ドラッグストア飽和」打破の勝算
ウエルシアがイオンと挑む「ドラッグストア飽和」打破の勝算
東芝、会社「3分割」に残る懸念
東芝、会社「3分割」に残る懸念
約10年で3000店が消滅、「町の本屋」の切実事情
約10年で3000店が消滅、「町の本屋」の切実事情
企業同士の取引で「値上げラッシュ」が起きている
企業同士の取引で「値上げラッシュ」が起きている
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
「非財務」で生きる会社、死ぬ<br>会社 企業価値の新常識

今や株価を決める最大の要因は「非財務情報」というのが世界の常識に。優れた開示を行えば企業価値の向上につながる一方で、開示が不十分だと株を売られるリスクも。企業価値の新常識をめぐる混乱とその対処法に迫りました。

東洋経済education×ICT