焼き肉を一段おいしく食べる「焼き方」の心得 火とペースを知り尽くせば「奉行」になれる

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まずは、肉を焼く「火」を理解していることが重要なポイントになります。単純に言ってしまえば、炭火かガスか。それぞれの特性を知り、操り、使いこなすことです。

炭火は火の勢いが強く、輻射熱の効果もあり、うまく焼けば外側はカリッと、内側は軟らかくジューシーに仕上げられます。一方で、炭火は火の強さが一定せず、火加減の調節が困難という特性もあります。ガスは肉を直接火で焼くのではありません。熱した鉄板で焼くので肉を焼く温度は安定しますが、火力は炭火と比較して弱いという難点があります。火だけでも特徴を把握し、論理に従うと当然、肉の焼き方が違ってきます。

肉焼きの温度差を知る

「火」を理解しましょう

炭火とガスの特徴をまとめると、

1. 炭火は特徴として、網の真ん中の温度が高く、外側の温度が低い

2. ガスは特徴として、真ん中の温度が低く、外側の温度が高い

炭火の真ん中は特に温度が高く、炭を使う性質上、ガスより温度のムラができやすいのです。温度のムラに対応する技としては、七輪に設置した網に箸を突っ込み、円を描くように時計回りに回転させながら温度の強弱をうまく利用して焼く、または、七輪の輪から網をずらして火が直接当たらない場所をつくり、焼きすぎた肉を避難させる方法があります。火を操れず、真ん中で集中的に焼いてしまうとどうしても焼きすぎて焦げてしまうので、注意したいところです。

反対にガスは一般的に、真ん中より外側温度が高いという特徴があります。イメージとしては真ん中120度に対し、外側は160度です。このように火の性質を知るだけでも焼き肉奉行としては、焼き方を変えられます。最初に高温で焼き、焼き色がつけば、網か鉄板の低温の位置をずらして仕上げます。

「焼き肉の美味しい焼き方を知っていますか」(2016年10月24日配信)にも書きましたが、中心温度が65度を超えると急激にコラーゲンが縮むので、その反動で肉汁が流れ出ます。これを放置すると、肉を硬くする原因になります。薄い肉ならともかく、厚切り肉を焼くときは、温度差を利用し、中心部分まで焦がさずに火を通しましょう。最も肉汁が残りつつ、歯切れもよくなる理想的な内部温度が65度なのです。

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