耕作放棄地に緑を!農業界の異色経営者 新世代リーダー 西辻一真 マイファーム社長
モチベーションが下がりそうなときには、「やりたいこと100」のリストを開く。飲み友達がほしい、体重60キロになりたい、ヨーロッパに行ってみたい、英語を話せるようになりたい、京都の家を引っ越したい、「朝まで生テレビ」で農業を議論したい……。
書いてみると100個はなかなか出てこない。優先順位をつけ、期間、可能性、資金、期限などもチェックする。ときどき見ては達成したものを消し、新しいものを追加している。苦しくてもあきらめない強さは天性のものだけではない。つねにモチベーションを上げる工夫をしているのだった。
この1、2年、西辻さんは潮目が変わったと感じている。優れた人材がソーシャルビジネスに流入し始めたのだ。
「東大、東北大、北大など、おかしいくらい優秀な人が面接に来るようになった。社名より、自分は何ができるのか、という活動内容で就職先を選ぶようになってきた。昔と違ってアメリカに追いつけとは思わないし、六本木にオフィスを持つこともうらやましくない。では何に幸せを感じるのか? 社会的課題を解決することなんです。こういう人たちが増えると、日本は変わっていくと思う」
社員10人ほどのマイファームには、1部上場企業やテレビ局から転職してくる人もいる。自然×ソーシャルビジネスの組み合わせに魅力を感じているようだ。
多くの人が共感し、支持するビジネスにはこんな強みもある。マイファームの土壌改良についての情報を、未知の人たちが自主的に英語に翻訳してネットで発信してくれた。そのおかげで塩害に悩む外国の政府からも依頼が来るようになったのだ。
「日本の次は海外。行く気満々です。日本で培ったソリューションで荒地を農地に変え、世界を緑でいっぱいにしたい」
(撮影:尾形文繁)
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