耕作放棄地に緑を!農業界の異色経営者 新世代リーダー 西辻一真 マイファーム社長

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地元に法人組織を作ってもらい、それが独り立ちするまでマイファームが支援する。法人がちゃんと回るようになったら顧問料をもらうという仕組みだ。

たとえば、宮城県亘理町では土壌改良した畑でトマトを作り、ジュース、ケチャップ、もぎ放題のトマト園など、事業展開のアイデアを話し合った。すでに農事組合法人マイファーム亘理協同組合が設立され、西辻さんの手を離れて自立しつつある。

「ここでやっているのは日本一安くてお得なコンサルティング。今は全然儲かりませんが、僕らは“捨て駒”でいいと思っています。耕作放棄地の問題は自分たちだけでは解決しきれない。でも僕らが、収益が上がっているところを見せれば、ほかの人もやり始めて爆発的に広がる。だから地方のコンサルティングも絶対に利益を上げてやろうと思っているんです」

都市部では、すでにマイファームアカデミーを卒業して就農した人も出ている。卒業生らの野菜の販売を始めたこともあり、マイファームの今年の売り上げ見込みは200%アップと大きく膨らんだ。今年5月に西辻さんは再び代表取締役社長に就任した。

つらいときに見返す、人生設計図

今や順風満帆に見える西辻さんだが、やはりつらいこともある。そんなときに見るのが「人生設計図」だ。基本方針には、

・やりたいことをする 農業を変えたい
 ・いちばん難しいことをする 誰もやらない領域をしたい(耕作放棄地)
 ・日本の農業界を左右する人物になりたい 世界一すばらしい農業大国にしたい
 ・毎日が全力でその日が人生最高の日

といった項目が並ぶ。

タイムスケジュールもある。現在30歳。地方を回る仕事は40歳で終えて、50歳までの10年間は日本全体の農業の発展に寄与する。50歳で一時引退。その後、60歳までは農業界の若手を育てる。そして「65歳で他界」となっている。「いろんな人に生き急いでいると言われますが、僕はそれが大事だと思っています」。

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