――日本ではデンマークとフィンランド、ノルウェー、スウェーデンを「スカンジナビア」としてひとつと見てしまいますが、国のよる違いは何ですか?
カイさん:個人的な見解ですが、スウェーデンはもっと日本に近いでしょうね。とても「構造化」社会で、ドイツにも似ています。ノルウェーとデンマークは似ていて、ジョークを言ったり、よく笑います。そういった意味で、デンマークの人と関係を築くためには、ユーモアが必要です。
フィンランドは真面目ですね。デンマークはスカンジナビアでは“ラテン”だと言われていて、いちばんリラックスしています。もちろんほかのヨーロッパの国から比べればとてもまじめですけどね。
エコのため、新車の価格は2倍!
――スカンジナビアの国の中でも違いがあって面白いですね。ところで、先ほどの再生可能エネルギーの話ですが、デンマークは30%が風力発電であるなど、再生可能エネルギーへの取り組みが盛んで、Ecoの意識も高く、「Creative Green Nation」と大使館の表にも書かれているのを見ました。それを見て、デンマークに行ったときに自転車通勤をしている人がとても多いのにびっくりしたのを思い出したのですが、これもEcoからですか?
カイさん:30%ぐらいが自転車通勤です。でもそれは「どうして日本人は健康なのか?」と同じ質問ですね(笑)。「どうして健康食を食べるのか」と、日本人がそう聞かれたら「健康のためではなく、それが文化だから」と答えるのではないでしょうか? 自転車に乗るのも同じです。
もちろん今はそれが健康にいいと言われているので、促進していますが実は後付けです。小さいときからみんなが自転車に乗っていて、それが便利だから乗っているだけです。平坦な土地なので走りやすいということもあります。日本だと自転車を停めるところに困ったりしますが、自転車に乗る事は環境にも健康にもいいことなので、デンマークでは自転車を停めても無料で、撤去されることもありません。
環境や健康によいもので、みんなが使うものなので、政府も力を入れて整備が進んでいるのです。サイクル・スーパーハイウェイ(自転車専用レーン)があり、快適に通勤できるのですよ。
――環境にも健康にもいいとは理想的ですね。車の関税はとても高いそうですね。
カイさん:1.8倍です。車を買うのに今の倍近く出すと想像して下さい。高いですよね。ですからデンマークでは中古市場が活発です。日本では一度乗ると価値が下がりますが、デンマークでは日本ほどは価値が下がりません。デンマークで車を見ると、古い車が多いので貧乏な国と思うかもしれませんが、そういう理由なのです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら