即断即決!デンマークの超「結果主義」 新人でもベテランでも、アウトプットがすべて!

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――アウトプットコントロールとはどういう意味ですか?

カイさん:結果が大切だということです。物事を行うときは過程より結果を重視します。ということは、逆に言えば言い訳は通用しません。たとえレポートが完成できなかった、でも毎日22時までは働いていたから、などというのは、デンマークでは言い訳にはなりません。夏休みを取らずクリスマスまで一生懸命頑張っても、結果が出せなければ意味がないのです。1日10時間働いて結果を出さないよりも、1日5時間働いて結果を出したほうがいいのです。

日本はデンマークよりもインプットコントロールの国で、過程を大事にしますよね。デンマークでも新しい人が職場に入って来たときには、その人はインプットコントロールを望むので大変です。でもその方法はとれないので、もちろん相談には乗りますが、その人にも自分で考えて進めさせるしかありません。

ただ、いつの場面でも全員がおのおのの意見で進めていては、社会はうまくまとまりませんよね。そういった意味では、教育の中でそれぞれに必要な要素というのを見せておくなど、バランスは大切だと思います。

――教育の話が出ましたが、デンマークの人がちゃんと自分の意見を持てるのは、それが教育で根付いているからだと聞いたことがあります。親は選択肢を持たせ、アドバイスはしながらも、最終的な決定はいつも子どもにさせていると伺いましたが、どうでしょうか?

カイさん:そうですね、親の役割はサポートすることで、決定は子どもにさせています。子どもであっても自分の意見を持つことが尊重されていて、中学の頃から自立しています。ただ学校教育などでは子どもの意見を尊重しつつ、教師の意見も聞かなければいけないのでバランスを保っていますよ。

小学校で落第も普通?

――デンマークの小学校では、肯定感を持たせるためにテストなどで子どもをランク付けしなかったり、習熟度が足りないと思ったらもう1年同じ学年をすることも抵抗がないそうですね。

カイさん:言われてみればそうですね。テストなどで順位をつけられたのは13歳ぐらいからでしょうか。1年を終えて習熟度が足りなくて、もう一度同じ学年をしていた子が、僕のクラスにも1人いましたね。

――そういった教育制度が、ビジネスでも年功序列がないことに繋がるのでしょうか?

カイさん:そうかもしれません。デンマークにも少しは年功序列がありますが、日本ほどではありません。僕が日本の年功序列でいいなあと思うのは、日本の人は年配の人を敬い、またリタイアして年金暮らしの方でも、外で身なりをきちんとしていることです。リタイアした方が昔の部下に会ったら部下は敬意を払いますよね。デンマークでは会社を辞めると、それでかかわりはなくなってしまうので、これは見習いたいです。

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