違いは「不確かなことでもうまくこなす(Cope with uncertainty)」ことでしょうか。デンマークは2050年までに再生可能エネルギーを100%にすることを目指しています。正直、どうすればそうなるのかわかりません。でもその前に「そうなりたい」というビジョンがなければ、何も進みません。
日本人は細かすぎて、たとえばこういうビジョンを持つと、「どうやってそうするんだ」「方法を示せ」と言われますよね。デンマークの人はそこにはこだわらずに、まずビジョンを持って不確実なことでも「やる!」と決めます。
それ以外にも違うところを言えば、デンマークの人はあまりおしゃべりではなく、最初はオープンではありません。ビジネスの話をするときには、日本では雑談をしてから入りますが、デンマークでは必要なく、直接、ビジネスの話しに入ります。「16時30分に子どもを迎えにいくので、時間を効率的に使わなくてはならず、早く終わらせないといけない。すぐに仕事の話をしましょう。何が必要ですか?」となります。
ビジネスありきで、人間関係はそれから
――日本では雑談などから関係を築くことがありますが、そういったものなしでどうやって関係を築けるのですか?
カイさん:ビジネスマッチがあって、そこから関係が始まります。ビジネスマッチが最初なのです。ビジネスマッチがなければ関係を持ちません。Relationship-oriented(人間関係が先)の社会ではありません。たとえば日本だと、その営業マンが別の営業所に行ったら、お客さんも移ることがありますよね。それはデンマークではあまりありません。その会社との契約であって、その営業マンとの関係ではないのです。
――同僚とも飲みには行かないのですか?
カイさん:お昼は行きますが、仕事が終わった後の夜は行きません。もちろんとても親しい人とたまにはありますが、年に2回ほどでしょうか。クリスマスと送迎会などです。
人との関係での違いを挙げると、デンマークには「お客様は神様です」という意識はありません。すべての人がスペシャルな人で、平等で大切なのです。だからみんなが平等にサービスを受けられるようにシステムが作られ、同じサービスを受けます。「自分は他の人より優れている」というような価値観はなく、日本のように「お客様がいちばん」というような特別なサービスを期待すると、うまくいかないかもしれませんね。
――それではどうやってホスピタリティを保つのですか?
カイさん:お客様が上で立てるのではなく、お客様がいつも楽しい気分でいられるようにという考えはあります。そういったオープンな意味合いなのです。
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