高い税金……満足している?
――税金の話をすると、デンマークでは失業中にも保障があって生活ができると聞きます。
カイさん:12〜18カ月間の失業保障があります。その後も政府の保障があります。でもその場合は厳しい審査があります。
――税金は高いですが、それに見合う保障が受けられていると思われますか?
カイさん:一般的に言って、思いやりがある国で、国民みんなで支え合っているのです。たとえば親が仕事を失っても、親の収入に関係なく、子どもが平等に貧富の差なく教育を受け続けられます。それはほとんどすべての国民が賛成することです。
もちろん子どもがいなくて健康なので、高い税金を払っても何も得られないと言う人もいますが、全般的に受け入れられています。だからこそ、みんなが「その税金がどう使われているか」に興味を持っていますね。選挙の投票率も高く、90%を超えることもあります。
――それは日本人からすると、驚きの数字です。
カイさん:小さい国なので投票しやすいということもありますけどね。
その話から言えば、デンマークではビジネスをする際にはみんな英語で行うと考えてください。デンマークだけでは市場が小さいので、ビジネスをする際には必ずグローバル展開を考えているのです。デンマークで会社案内やさまざまな書類などがデンマーク語で要求されることはほとんどないと言っていいでしょう。
――と、いうことはみんな英語を話すと言うことですね。いつから習うのですか?
カイさん:僕のおばあさんも英語が話せました。デンマークではテレビ番組なども市場が小さいために、デンマーク語に訳されないのです。日本から入る漫画なども、まずは英語に訳されますよね。それがデンマークに入って来て、英語のまま字幕でデンマーク語がつけられます。
ヨーロッパを旅行することも多く、その際にも英語を使います。ですから、子どもたちも当たり前に英語に触れているのです。
――そこからすると日本は市場が大きいために、かえって英語教育やグローバル化が妨げられているとも言えますね。今後、日本に期待することは何でしょうか?
カイさん:クリーンエナジーやサウンドテクノロジー、バイオマス、人型ロボットの開発などさまざまな分野で協力できると思います。
(撮影:今井康一)
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