――上下の関係がないとともに、子育てなどで男女の役割分担も平等に分けられているようですね。
カイさん:「子どもを迎えに行くから、ミーティングに出られない」ということも受け入れられます。もちろんものすごく重要なものであれば、両親やほかの人に頼みますけど、ほとんどの場合は両親に頼むことなく、託児所を使ったりして両親2人でやりくりできます。
同僚の誰もが僕のアウトルックカレンダーを見られるようになっていて、そこに「毎週水曜は16時にオフィスを出て子どもを迎えに行く」など記入しておくのです。そうするとみんな、僕が16時にオフィスを出ることがわかります。誰かが子どもを迎えに行かなければいけないので、これは当たり前のことです。
――デンマークはForbesの「Best countries for Business (ビジネスを行うのに適した国)」で2013年に2位ですが、日本人にも仕事がしやすいと思いますか?
カイさん:日本とデンマークは似ているところが多いと思いますよ。日本とデンマークよりも、日本とアメリカのほうが違いは大きいと思います。
たとえば「今年は車を1000台売る」と決めたら、リーマンショックがあっても日本人は結果を出しますよね。デンマーク人は努力して800〜900台ぐらい。アメリカ人は1000台と言ってもそれは「目標の最大値」と言ってデンマークより達成しないかもしれない。アメリカ流、日本流が両極端だとしたら、デンマーク流は日本流に近い真ん中でしょうね。
僕は日本に6年住んでいて、日本語も4年学んでいるので、日本に対してバイアスがかかっていることはあるかもしれません。日本が好きなので、違いよりも似ているところに目が行ってしまうのです。
似ているところはクオリティを重視するところ、誠実さ、時間厳守などです。デンマークでは10時半に待ち合わせたら、10時半に来ることを望みます。慎重なので最初はちょっととっつきにくいと思われるかもしれません。書類などは正確さ、詳細にこだわります。このように似ていることが多くあります。
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