職場の人間関係を円満にしたい、亀裂を入れたくないという“奥ゆかしさ”から、本音を隠しているのかもしれません。なので、仮に同僚から「いくらもらってるの?」と聞かれても「毎月決まっている額だよ」とか「保険とか引かれているから、いくらだったかなぁ」とぼかした答えが返ってきたりします。給与への関心は、微妙な駆け引きが行われる領域なのですね。
そんな、給与に対する関心を掘り下げて聞いていくと、大きく2つのテーマがみえてきます。それが
・同僚の給与:同じような仕事で差があるの?
・上司の給与:将来の自分の収入はどれくらい?
です。ちなみに同僚だけでなく、交際相手の給与も気になるという声もあるようで、彼氏の給与を知っている女性が7割もいるとの調査もあります(Woman type調べ)。
給与がいくらかというのは、基本的には自分しか知らない情報です。会社側も各社員の給与情報をオープンにはしていないから、余計気になってしまうという面もあるかもしれません。
米国では給与に関する情報を公開する企業が増加
そのような志向を逆手にとってか、米国では社員の給与に関する情報を公開する企業が増えています。たとえば、それは自然食品チェーン大手のホールフーズマーケットから中堅企業まで広がっています。TwitterやFacebookへの投稿をタイムシフトで最適化するサービスを提供しているBufferもその1社。CEOの報酬に加えて、報酬全体に対する算定式も同時に公開しています。
こうした取り組みの最大の目的は、社員の高いパフォーマンスを引き出すこと。他人と比べた自分の給与状況を知ることで、より熱心に働こうという意欲が高まります。それが集まって業績拡大にもつながるというプラスの影響を期待し、各社で取り組みが実行されています。
でも、本当にプラスの影響は起こるのでしょうか? 逆に、不満や対抗心を抱かせたり、職場で気まずい雰囲気になるなど、マイナスの影響をはらんでいないでしょうか?
マイナスの影響があったとしても米国では給与の公開は進んでいくことでしょう。これまでのようにブラックボックスになっているよりは健全だからです。では、日本でも同じように給与公開は展開していくのでしょうか?
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