すかいらーく「再上場」の可能性は 谷社長が語る、“再成長”のカギは既存店復活

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財務や経営の視点からすればそうかもしれないが、そういうことをネガティブに考えている従業員はほとんどいないのではないか。ここ数年増やすことができなかったボーナスも、ようやく上げることができた。基本的にはこの会社の成長を信じている。

テーブルレストランの王道守り、既存店売上高回復へ

――すかいらーくの将来像をどう描いているのか。

1990年代に比べれば、1店舗当たりの売上高は半分になっている。2012年には1億1000万円程度だった。既存店を増収させることで、2億円は厳しいかもしれないが、1億5000万円ぐらいに持っていくことは十分に可能だ。

新店を出すこともあるが、すかいらーくグループの3000店近い規模からすれば、仮に100店を新規出店したとしても影響は大きくない。そもそも新規出店を行うためには、既存店の強さが必要だ。(ガストという、ファミレス業界では)最安値業態をラインナップしているすかいらーくにとっては、店舗や商品の価値を高めることが最大の戦略だ。

――かつて7年連続の既存店減収が続いていた日本マクドナルドホールディングスは、原田泳幸氏が経営のトップに立った2004年から8年連続の増収を続け、2011年には1店舗当たりの売上高が1997年当時の1億5000万円を上回り、既存店売上高を回復させた。イメージ的にはそういうことか。

そうだ。テーブルレストランとして、すかいらーくがやるべき仕事は、奇をてらった高価格商品に誘導するのではない。フレンドリーな従業員が、素早いサービスで商品を温かいうちに提供していけば、業績が急降下することはない。それが3000店を構えるレストランチェーンの王道だ。

(撮影:山内信也、尾形文繁)
 

松浦 大 東洋経済 記者

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まつうら ひろし / Hiroshi Matsuura

明治大学、同大学院を経て、2009年に入社。記者としてはいろいろ担当して、今はソフトウェアやサイバーセキュリティなどを担当(多分)。編集は『業界地図』がメイン。妻と娘、息子、オウムと暮らす。2020年に育休を約8カ月取った。

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