すかいらーく「再上場」の可能性は 谷社長が語る、“再成長”のカギは既存店復活

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

その結果、急速に出店するというビジネスモデルではなく、既存店を成長させることが必要で、そのためには外部の専門家を集める必要があるという結論に至った。そして新しい経営陣のスカウトを始めた。

現在、当社には10本部があり、うち8本部は外部出身者がトップを勤めている。日本ゼネラルエレクトリックやHSBCで人事部門を統括した櫻井功、米スターバックスでアジアのサプライチェーンの構築をしていたニシャード・アラーニなどさまざまな人材がこの2年間で当社に集まった。彼らのうち、誰ひとりとして、転職の人材バンクに登録されていたような人はいない。

7月8日には、ファーストリテイリングの執行役員だった門脇滋人が当社の出店担当執行役員に就任したことを発表したが、これでラインナップがようやく出揃った。

マクドナルドから人材を相次ぎ招聘したワケ

――人材以外に、何か不足しているものはなかったのか。

マーケティング機能と高いレベルのオペレーションだ。市場が成長している時にはマーケティングはいらない。しかし市場が縮小する中で、ベーシックに消費者を知る機能、もっと消費者を深く理解する能力が不足していた。

そこで韓国と日本のマクドナルドでマーケティングを担当していたジョン・キム(現マーケティング本部執行役員)が必要だった。一方で、オペレーションについても、高いレベルに引き上げなければ他社に勝つことは難しい。消費者を知ること、オペレーションを高いレベルにひっぱり上げること、この2つがないと既存店の売上高を増やすことはできない。

――この2つを最も得意とするのはマクドナルドだ。だから日本マクドナルド出身の遠藤久(現オペレーションサポート本部の執行役員)氏とラルフ・アルバレス氏(1月にすかいらーく取締役会長就任)が必要だったのか。

そのとおりだ。ラルフはハンバーガーを売るという、極めてシンプルなオペレーションに精通している。亡命キューバ人として、マクドナルドの店長から始まり、最後は米国のマクドナルドコーポレーションの社長兼COOにまでなった、たたき上げの人物だ。

次ページ空腹を満たすだけ、ではない
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事