すかいらーく「再上場」の可能性は 谷社長が語る、“再成長”のカギは既存店復活

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

マクドナルドの場合は、ハンバーガーの焼き色から座席シートの材質までチェックする素晴らしいオペレーション力を持っている。それはファーストフードという、たった1ドル、2ドルのハンバーガーを売ることで利益を出すビジネスから身についた力だ。

すかいらーくは出店に出店を重ねて成長してきた。他社からみればオペレーションがしっかりしているように見えるかもしれないが、現実にはそんなことはない。この力が必要だった。

「テーブルレストラン」は空腹を満たすだけの店ではない

――ファミリーレストラン各社の業績は底を打った。既存店も増収と、好調な会社が多い。背景には何があるのか。

谷真(たに・まこと)●1951年生まれ。77年にすかいらーく入社、87年にショッピングセンター内のレストランを手がける子会社ニラックスに移籍し、取締役営業本部長に就任。2000年に同社社長に就任。07年にすかいらーくの常務執行役員を経て、08年8月より現職

日本は20年に及ぶデフレを通じて、「1円でも損をしたくない」という厳しい選択をする消費者を育ててしまった。マーケットの減少が続く中で、勝ち組と負け組がはっきりする時代になった。これはロードサイドのファミレスだけでなく、家電量販店やホームセンターも同じだ。

その中で、ファミレスの価値とは何か。すかいらーくは出店の効率を考え、ローコストを追求してきた。その結果、効率よく作業をするためのレイアウト、内装、商品、制服になっている。従業員を作業者としかみていない姿にも象徴されている。

社内的なスローガンとして「お客様、第一主義」を30年以上にわたって、飽きるほどずっと言ってきた。でもビジネスモデルは出店を前提としたもので、いかに1店当たりの出店コストを減らすか、生産性の高い店を作るか、そして既存店で得た収益を原資にして新たに出店していくかという拡大再生産のモデルだった。

次ページ再上場は選択肢の一つ
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事