デジタルとアナログの対立はもう意味がない 2017年以降に流行る新しい商品・サービス

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4.デジタルの創造性

前述の異経験とはいっても、あくまで視覚情報、聴覚情報であって、リアルには程遠い。そう感想を持たれたかたもいるだろう。バーチャル店舗といっても、いきのいい魚を買うなら市場にいって現物を見たほうがいい。リアル店舗は、その「リアル」で五感に訴える。

 

創造性を授けてくれる可能性も

実際にVRの進化とともに、逆説的にリアルの価値も高まっている。現実的に有名映画の舞台やモチーフとなった場所に「聖地巡礼」する流行が続いている。それは、デジタルに飲み込まれる恐怖もあるかもしれない。これ以降、VRをさらにリアルに近づけるべく各社はしのぎを削っていくだろう。

ただ、その恐怖の一方で、デジタルはある種の創造性を授けてくれるかもしれない。たとえば、レンブラント・プロジェクトを見てみよう。レンブラントとは17世紀のオランダの画家だ。このプロジェクトでは、これまでのレンブラントの作品を使って、その傾向を分析。新たにレンブラントが描くであろう絵画を「描き」あげてしまった。実際にビデオを見ると、レンブラントの筆タッチを再現するために使われたのは、なんと3Dプリンターだ(!)。

デジタルが現物というアナログに化ける。そして人々が感動したとき、デジタルとアナログという二項対立はもう意味がない。これが冒頭の提起とつながっている。

デジタルが飲み込む人間のあり方。そして商品やサービスのあり方。いくつかの例をあげていった。まあ私は早く、私の代わりに原稿を書いてくれないかと思うんだけれど。ああ、そのときは私に原稿料など支払われないに違いない。

坂口 孝則 未来調達研究所

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さかぐち・たかのり / Takanori Sakaguchi

大阪大学経済学部卒。電機メーカーや自動車メーカーで調達・購買業務に従事。調達・購買業務コンサルタント、研修講師、講演家。製品原価・コスト分野の分析が専門。代表的な著作に「調達・購買の教科書」「調達力・購買力の基礎を身につける本」(日刊工業新聞社)、「営業と詐欺のあいだ」(幻冬舎)等がある。最新著は「買い負ける日本」(幻冬舎)。

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