「未開の地」沖縄に1号店を出店
セブン-イレブンが、ついに「未開の地」へ進出する。47都道府県で唯一出店してこなかった沖縄県に第1号店を2018年度(2019年2月)中に設け、同県内で200~300店のネットワークを構築すると複数のメディアが報じている。
沖縄には2016年末時点でファミリーマートが317店、ローソンが207店のネットワークを構えている。全国的にはセブンが約1万8500店、ファミマが約1万1600店(経営統合したサークルKサンクスの約6500店を合わせて約1万8100店)、ローソンが約1万2500店とセブンは名実ともに業界1位ながら、沖縄では最後発となる。
ファミマはリウボウ(本社・那覇市)、ローソンはサンエー(本社・宜野湾市)というそれぞれ地元企業と組んで、沖縄でコンビニ事業を展開している。同じ日本でも沖縄は地理的に本州や九州などから遠く離れ、独特の文化を形成する土地。セブンはこれまで沖縄進出に二の足を踏んできた印象がある。
セブンの沖縄進出を、あえて強引に解釈するならば、コンビニエンスストアが踊り場を迎えつつある象徴といえる。現在、コンビニ全店の売上高合算は伸びている。セブンの2015年度売上高は、約4兆3000億円、ローソンは約2兆0500億円。コンビニ全体の店舗数も6万店に至る勢いだ。数字を見ると、順調のように見える。
一方で、問題もある。店舗の拡大によって売上高の総額は伸びているものの、平均的な店舗の客数はいくつかの調査を見ても伸び悩んでいる。店舗数を広げられるうちはいいが、いずれ頭打ちになる。
全国2万店体制に向けて、17年2月期も900店の純増を計画するセブンの勢いが足元で緩んでいるワケではない。ただ、人口減が進む日本において沖縄を除く地域での店舗ネットワークは近い将来、飽和状態に達する。セブンの沖縄進出は最後の魅力的な市場を、このまま放置しておけないという危機感の表れでもあるだろう。
沖縄は地元の住民だけでなく、急増している訪日外国人客の需要も見込める。ファミマやローソンを使うしかなかった客で、セブンの全国的なサービスを利用したいというニーズも取り込めるだろう。
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