2017年も1000億円規模の海外買収が続々?

2016年はソフトバンクが圧倒的存在感

2016年のM&A市場で話題をさらった孫正義ソフトバンクグループ社長(撮影:風間仁一郎)

「ソフトバンクのM&AでなければM&Aにあらず。2016年の市場動向は、まさにそんな状況だった」。大手証券会社のM&A部門幹部は苦笑いを浮かべながらこう話す。

日本企業が関連した2016年のM&A案件では、それほどまでにソフトバンクグループの存在感が際立っていた。6月には、傘下の携帯ゲーム会社・スーパーセル(フィンランド)を中国のテンセントに約8900億円で売却。7月には、英国の半導体大手・アームホールディングスを約3.2兆円で買収した。2案件合計の取引金額は4兆円超に上る。

ソフトバンク中心に大型案件が続く

トムソン・ロイターがまとめた2016年の日本企業関連のM&A市場規模は約19兆円。このうちの5分の1をソフトバンク関連の案件が占めたことになる。取引金額の大きさでは、アサヒグループホールディングスによる東欧ビール会社5社の買収(約8800億円、12月)、キヤノンによる東芝メディカルシステムズの買収(約6600億円、3月)、損保ジャパン日本興亜ホールディングスによる米保険大手の買収(約6500億円、10月)などがこれに続く。

日本企業関連のM&Aを担当したフィナンシャル・アドバイザー別の取引金額ランキングでも、ソフトバンク案件を担当した企業が上位を占めた。首位のみずほ証券は総額7.3兆円のうち、4.1兆円がソフトバンク関連。2位の三菱UFJモルガン・スタンレー証券も総額6.1兆円のうち、0.9兆円がソフトバンクのスーパーセル売却によるものだ。上位10社のうち、ソフトバンク案件を担当しなかったのは、4位の野村証券(総額4.1兆円)と10位の三井住友フィナンシャルグループ(同2.4兆円)だけだった。

グローバルでも十指に入る大型案件が全体の取引金額を押し上げた2016年の日本市場。伊藤忠商事による中国CITIC子会社の買収(約1.2兆円)や生損保大手による海外企業買収が相次いだ2015年に比べると縮小しているが、過去10年では高い水準を維持することになった。この勢いは2017年も続くのか。いくつかのテーマに分けて、新年のM&A市場の動向を予測してみたい。

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