至宝アームが陥落!イギリス国民の複雑胸中

数少ない世界的テック企業だったのに・・・

日本時間の7月18日夜、ARM買収を発表するソフトバンンクグループの孫正義社長。英国政府はこの巨額ディールを歓迎したが・・・(写真:ロイター/AFLO)

ソフトバンクは、7月18日、英半導体設計大手ARM(アーム)ホールディングスを100%買収すると発表した。日本企業による3.3兆円に上る大型買収は英国のメディアでも大きく取り上げられ、欧州連合(EU)からの離脱決断で経済の先行きに不透明さが増す中で「英国のビジネスへの信任状だ」(政府首脳陣)として歓迎された。

一方、英国を代表するテクノロジー企業が外国資本の傘下に入ることへの残念さや英国のテック業界の将来を案じる声も出ている。

英国ではどんな存在なのか

ARMのルーツはアップルのニュートンにある

半導体業界では世界的に著名なアーム社とはどのような会社なのか。

アーム社は英東部ケンブリッジに本社を置く。その起源は1978年創業のエイコーン・コンピュータ社だ。1980年代にイギリス国内のほとんどの学校で導入された「BBCマイクロ」コンピュータを開発したことで知られるコンピュータ会社である。

移り変わりの激しい業界の荒波にもまれる中で1990年、エイコーン社のスピンオフとして生まれたのが半導体設計を主力とするアーム社だ。アップルのPDAとして知られる「ニュートン」の共同開発プロジェクトがきっかけとなった。資金を出したのはアップル。アップルが150万ポンドを出資し、エイコーン社がエンジニア12人を提供した。

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