至宝アームが陥落!イギリス国民の複雑胸中 数少ない世界的テック企業だったのに・・・
しかし、アーム社のような重要なテック企業が買収されるとなると、別の反応も出てきた。
与党・保守党が自由民主党と連立政権を敷いていた時(2010-15年)にビジネス担当大臣だったビンス・ケーブル氏は買収が「良いか悪いか、まだ判断は困難だ」という(フィナンシャル・タイムズ紙=FT、18日付)。懸念するのは英国のテック企業の将来だ。「英国には米国のフェイスブックやグーグルほどの大きさのグローバルなテック企業は生まれない。ある程度の大きさになると、買収されてしまうからだ」。
外国企業がゆくゆくは本社を英国外に移してしまう危険性も懸念だという。
「残念だ」と創業者
アーム社の創業に手を貸したハーマン・ハウザー氏はBBCやFTの取材(18日)に対し、「非常に残念だ」と述べた。
同氏は現在、投資会社アマデウス・キャピタルの共同経営者だ。「アーム社は自分の生涯でもっとも誇りにできる事業だった」、「自分にとっても、英国のテック産業にとっても残念だ」。
アームは昨年1年間で150億のマイクロチップを販売したという。ライバルとなる米インテル社が「これまでに販売したマイクロチップの数を超える」。次世代のマイクロプロセッサーのアーキテクチャーを決定したのがアーム社で、「このアーキテクチャーはすべての次世代の電話に、そしてさらに重要なことには次世代のモノのインターネット化に使われてゆくものだ」。
ソフトバンクは「妥当な」売却先だが、「こうした買収はブレグジットの予期せぬ帰結だ。ポンド安で買収価格が非常に安くなった。(買収を)長い間考慮していたとは思うが、買う機会が生じたので今行動を起こしたのだろう」。
アーム社は「残念なことに独立性を失った。英国は(世界の)テック産業の中でより小さい存在になる」。
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