注意!「のれん代」が大きい200社ランキング

収益に貢献しなければ一転「不良資産」になる

東芝はウエスチングハウスの「のれん」を減損、決算予想を修正した(撮影:尾形文繁)

M&Aや投資ファンドによる企業買収が盛んに行われるようになった現在、企業の財務分析をするうえで、注意しておきたいのが、「のれん」の存在だ。のれんとは、企業を買収・合併する際に発生するもので、被買収会社の純資産額と買収価格の差額として資産に計上されるもの。無形資産の一種である。

ただ、資産とはいえ、のれんは差額を会計的に計上しているものに過ぎない。理屈上は、被買収企業の将来的な収益力やブランド力を表したものとされるが、「仮想的」な資産である。被買収会社が、期待通りに収益に貢献するのであれば確かに「(良)資産」とみなせるが、収益に貢献しなければ、一転して「不良資産」となってしまう。

評価次第で大きく棄損するリスク

日本の会計基準では、のれんは、一定の期間をかけて損益計算書で費用として償却する決まり。国際会計基準(IFRS)や米国会計基準(SEC)では、定期償却はしないが、決算ごとに「のれん」が収益を生み出しているかチェックし、収益に貢献していないと判断されれば損失として計上(減損)することになっている。なお、日本基準でも定期償却と同時に、減損も行う。

いずれにしても、「のれん」は収益の評価いかんでは大きく毀損するおそれがある資産であり、最悪の場合、まったくなくなってしまう可能性もある。東芝が買収した原発メーカー・ウエスチングハウス(WH)ののれんを、同社の業績が悪化しているにもかかわらず償却せず、財務体質の悪化を隠していたことは記憶に新しい。資産規模に比して多額ののれんを持つ企業は、のれんの毀損によって財務内容が急激に悪化する可能性があり、のれんが健全なものかどうか、その内容をよく把握しておく必要があるのだ。

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