注意!「のれん代」が大きい200社ランキング 収益に貢献しなければ一転「不良資産」になる

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さて、今回「のれん対株主資本比率ランキング」(200社)、「のれん額ランキング」(200社)を掲載した。

「のれん対株主資本比率ランキング」は、のれんの額が株主資本の何%に相当しているかを計算(のれん÷株主資本×100)、比率の高い順にランキングしたものだ。値が高いほど、のれんが減少した場合に多くの株主資本が毀損することを意味する。100%を超えていれば、仮にのれんの価値がゼロになると、株主資本ではまかないきれないことを意味する。

のれんが膨張している再上場企業

ランキング1位のソフィアホールディングスは、ネット関連サービス企業で現在、経営再建中。のれん額は小さいが、株主資本も少ないため比率が非常に高くなっている。2位のアパマンショップホールディングスは賃貸管理、サブリース事業での過去の買収によるのれんが株主資本を大きく上回る水準で計上されている。毎期11億円程度を償却しており、あと10年ほどはのれん償却が続く。

3位のベルシステム24ホールディングスは、投資ファンドによる買収・株式非公開化と再上場を行ったことで、のれんが膨張している。ファンドがベル社を担保にして資金を借り入れてベル社を買収、この結果、買収資金の負債と、その負債に対応するのれんがベル社の貸借対照表に計上されている。投資ファンドによる買収と再上場が行われると通常、再上場時にはこのような財務構成となる。直近に上場した、喫茶店チェーンのコメダホールディングス(6位)も同様のパターンだ。

再上場した会社は、のれんの償却と利払い負担が大きくなるため、利益水準は低くなりがち。また、収益悪化によりのれんの減損に迫られると一気に財務が不安定化する。ただ、その反面、本業の収益力が高ければ、のれんと負債の削減が進むにつれ急速に利益水準は向上する。

「のれん額ランキング」は、のれんの計上額を多い順にランキングしたものだ。巨額買収を行う著名企業が上位を占める。1位のソフトバンクは、日本のボーダフォン、米国のスプリントなど携帯電話事業をメインとする積極的な事業買収で多額ののれんを計上する。2位のJTは、RJRナビスコ、ギャラハーなど海外たばこ事業買収によるものだ。株主資本に対する割合でも、ソフトバンクは68%、JTも同55%と高水準だ。

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