「稼ぐ力」を測る指標はさまざまなものがある。その中でも会社が「自由に使える現金をどれだけ稼いだか」を表したものがフリーキャッシュフロー(CF)だ。
フリーCFは、通常の営業活動から生じた現金収支を表す営業CFと、資産の取得や売却によって生じた現金収支である投資CFを足すことで算出する。経常利益や純利益といった損益計算書(PL)の利益は減価償却費やのれん代、税金など見積もりによって変動する部分が多い。
「積極的な投資をしていない会社」が上位に
一方、CFは単純な現金の出入りを表している。すなわち、フリーCFは余剰資金であり、借入金の返済や株主への配当の支払いに充当することができる。経常利益が赤字であっても、フリーCFで見れば黒字のケースもある。逆に利益水準がどれだけ高くても、CFの赤字が続き現金が尽きれば、会社は倒産する。また、積極的に設備投資やM&Aを行った場合、営業CFを投資CFが上回り、フリーCFはマイナスになる。経常利益に比べて、変動幅が大きいという点には注意が必要だ。
今回、過去5決算期におけるフリーCFの平均金額をランキングにした。1位にNTT、2位にNTTドコモとNTTグループがトップ2を独占した。NTTのフリーCFは5年平均で6622億円にもおよぶ。中核子会社であるドコモが携帯電話を強固な収益基盤として、毎年巨額の資金を稼ぎ出していることがわかる。
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