三菱UFJ銀行が資格を返上、国債に潜む「地雷」

マイナス金利政策でトップ銀行が異例の行動

マイナス金利政策に異を唱える三菱UFJフィナンシャル・グループの平野信行社長(右)の思いは、日本銀行・黒田東彦総裁(左)に届くか(撮影 左:梅谷秀司、右:今井康一)

「長期金利が急騰か⁉」。6月8日朝、債券市場に緊張が走った。

この日、日本経済新聞が朝刊1面トップで、「三菱東京UFJ銀行が、国債入札の特別参加者の資格を返上へ」と報道。国債の安定消化が困難になるのでは、と市場に動揺が生じたためだ。

同資格制度は、従前の国債募集引受団に代わる形で、2004年からスタート。国債の応札や落札で一定の義務枠が設定される一方、財務省と意見交換ができるなどのメリットがある。だが銀行が同資格を持つ意義は薄れた。

「マイナス金利政策は明らかにネガティブだ」

今年1月末、日本銀行がマイナス金利政策の導入を決めると、国債利回りは一段と低下。今は15年物までマイナス圏に沈む。債券はマイナス金利で購入、満期まで保有すると、多くの場合、損をする。

「マイナス金利政策は短期的には明らかにネガティブだ」と三菱UFJフィナンシャル・グループの平野信行社長が言うように、国債を満期運用することの多い銀行にとって、現在は損失が生じかねない状況である。

三菱UFJ銀は「直近2四半期の入札で、中期〜超長期国債の発行額の1%以上を落札する」という落札責任を果たせなくなっていたようだ。

次ページ過去の金利急騰ショックとの類似性
マーケットの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • ボクらは「貧困強制社会」を生きている
  • 若者のための経済学
  • 本当に強い大学
トレンドライブラリーAD
人気の動画
パチンコホール「ガイア」店舗撤退で大激変する勢力図
パチンコホール「ガイア」店舗撤退で大激変する勢力図
ネットで生卵がメチャメチャ売れる驚きの理由
ネットで生卵がメチャメチャ売れる驚きの理由
やる気を削がれる人と奮起する人の決定的な差
やる気を削がれる人と奮起する人の決定的な差
「名岐アパレル」で連鎖倒産、産地の厳しい現実
「名岐アパレル」で連鎖倒産、産地の厳しい現実
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
サプライズと配当成長株で勝つ<br>株の道場 成長先取り編

菅首相の退陣決定を受け、東証株価指数が31年ぶりの高値へ急騰。日経平均株価も3万円を超えました。本特集では9月17日発売の『会社四季報』秋号を先取りし、上方修正期待の大きいサプライズ銘柄を抽出。株価上昇を享受する方法を会得しましょう。

東洋経済education×ICT